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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
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第8ターン 拳法美人、インドの行者に惨敗す

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 クー子が選んだキャラは中国拳法の美人、対するはコンピュータが選んだインドの行者と思しきヨーガマスター。


 クー子ちゃん頑張って、と音々(ねね)が声をかける。クー子は夢中になって方向キー*と4つのボタンをデタラメに押して拳法美人を操るが、手足が自在に伸びる行者に歯が立たない。


[註]方向キーはゲームのキャラクターを移動させるためのゲーム機に付帯した装置、機能。


 クー子、負けるな!純もエールを送るが、行者の攻勢にクー子のキャラは絶体絶命だ。花崎はド素人のプレイをニヤニヤしながら眺めている。


 後一発攻撃を受けるとクー子の負けが決まるその刹那、音々が叫んだ。


 「クー子ちゃん!Yボタン、小パン*暴れよ!!」


[註]小パンとは小パンチの略、DSのYボタンを押すと繰り出される。威力は最弱ながらも相手の攻勢を止め得る攻撃


 クー子は夢中で音々の言うとおりYボタンを押した。すると拳法美人のパンチが行者を捉え、その動きを一瞬止めた。


 クー子が初めて意図した攻撃に成功し、純と音々の喝采が上がる。花崎は怪訝な顔で音々を見る、このレディース、デキる。まさか、、


 が、反撃もそこまで。最後は行者が口から吐いた火炎放射で拳法美人は丸焦げになってしまった。ユールーズ。


 意気消沈する3人、とそこに恰幅の良い、ケーシーを着た中年男性が現れた。


 ひッ、!Drパパ、、と花崎が目をむいた。


 「いかにも。私はドクターであり、ユーのパパだ。しかぁーし、私が聞きたい事はそんなぁことじゃあない。」


 「ホコル、何故ここにいるのだ。ここは病室だゾ、ユーは一体何をしているのダ?」


つづく

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