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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
79/214

第79ターン フリーズ、クー子膠着す

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 共に連打技を得意とする中国拳法の美人戦士・チャンリーとエッチな相撲レスラー・エド主水。


 チャンリーの体力ゲージは僅か、首の皮一枚を残す状態。一方のエド主水の体力は残り30%程、余裕は未だある。


 互いの技を警戒して動かない両者、数秒間ジリジリとしたときが過ぎる。そもそもエド主水を操る河内のスタイルは一貫した待ちの姿勢。ある意味、元のやり様に回帰した形だ。


 一方のクー子は試合中にチャンリーのアジリティを活かしたファイトスタイルに進化させた。火力に劣るチャンリーが如何にしてエド主水を倒すのか。


「あらら、怖じ気つきましたの、債務者の娘?ア〜ハッハッハ!」


 花崎蘭子が挑発する。新井ら蘭子親衛隊もウゥ〜と一斉にブーイングをクー子に浴びせる。会場からもお見合いを見に来たんじないぞと野次が飛ぶ。しかし今のクー子には打開の手立てがまるでない。


 格ゲーの生きる伝説、夢原省吾。今はクー子のマスターにして本戦のセコンドだが、勿論この状況を打破するケーススタディは持ち合わせている。


 が、問題は夢原格ゲー塾に入校間もないクー子がそれを実践出来るか、だ。相手は小パンチ一発で試合を終わらせるつもりだろう。相手に反撃を挿ませない、連続攻撃しか勝ち筋はない。


 かつて自分が米国の大会で見せた伝説的な逆転劇と同じように、相手の挙動を読み切った上で、一つのミス入力も許されないコマンド入力を実現しなくてはならない。


「クー子ちゃん、もう一度、指示どおりに動くんだ!」


 夢原はクー子の順応性と、ある種の即興性に賭けた。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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