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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
52/214

第52ターン メイクドラマ、コンボで大逆転

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

コンボ、その響きは初心者格ゲーマーにとって、ある種特別なものがある。自分の力がワンランク上がったような、自尊心をくすぐるマジックワードだ。


 バックステップからの飛竜拳は、コンボと言うにはあまりに素朴なものだが、いずれにしても花崎は技のコンビネーションでナニワAダラ・シンに痛打を与えた。


 が、コンボはむろんタイミングが命。花崎は自分でそれをコントロール出来てはいない。夢原頼みである点を忘れてはならない。


 「ヲタ、また来るぞ!」


 夢原にアイノウ!と返した花崎はバックステップ、そしてジャンピングアッパーカット飛竜拳を再び叩き込み込む。ペースは完全に花崎のものとなった。


 攻撃が対応され、打つ手が無くなると格ゲーマーは、つい得意技に頼りがちになる。リスクをかけても強引に仕掛けてしまうのがさがだ。 


 そろそろ来るな。百戦錬磨の夢原には次の展開が手に取るように分かる。


 「エエぃ!鬱陶ッとい奴やで!」


 変人ナニワAキー坊が躍起になって仕掛けて来る技はダラ・シンのトリッキーなコマ技、テレポーテーション。夢原の思うツボだ。


 「ヲタ、斜めジャンプ。」


 沈着な夢原の指示通りに花崎ゲンは跳躍し、画面の右に着地した。ヤッた!心の中でほくそ笑む花崎と夢原。


 そうさ、そうなんだ、このナニワ兄弟の弱点は、、、解ったよ、音々さん!


 矢継ぎ早に飛び道具、気流拳を打ち込む花崎ゲン。これを定石どおり同じく飛び道具で相殺しようとするナニワAダラ・シン。


 しかし手数が上回る花崎ゲンに圧倒され、気流拳を被弾してしまうナニワAダラ・シン。どうも試合開始時とは勝手が違う。


 悔しそうに顔を歪めるナニワAキー坊。もしかすれば自分の弱点に気付き始めたのかも知れない。


 「ヲタ、仕上げだ。」


ロジャッ。この短いやり取りがナニワAキー坊への最後通牒となった。 


 打つ手の無くなったダラ・シンが繰り出すワンパターンな伸び伸び中パンチ。


 バックステップ、ジャンピングアッパーカット


 「ヒリューケーン!!」


 純とクー子が唱和する。小さく拳を握る音々。サムズアップのマスター夢原。


 そしてコントローラーを天高く投げ捨てた花崎誇。ゲン、ウィン!劇的な逆転勝利に病室が興奮の坩堝るつぼと化した。


つづく

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