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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
46/214

第46ターン 花崎誇、出陣

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 純が敗れた。いい所まで押し込んだが、最期は相手の本気を引き出して反撃を猛攻を許した。セコンドのマスター夢原の賭けは失敗に終わった。


 この一戦、純の格ゲーキャリアからすれば大健闘だったが、負けてしまえばそれも虚しい。勝ってなんぼ、それがこの世界の一丁目一番地なのだ。


 悔しくて言葉が出ない純。勝者のナニワBヒロシは小躍りしてコサックダンスの真似事をする。手を打って大笑いするナニワAキー坊。勝者と敗者を分かつ余りにも残酷な場面だ。


 「ヘイッ、調子に乗るのもそれぐらいにしな。後で恥をかくだけだぜ。」


 ナニワ兄弟の戦勝祝に待ったをかけたのは貴公子、花崎だ。日乃本クン、ミーがリベンジしてやる。任しておけ! 


 花崎はコントローラーを手に取り、愛用キャラのアメリカンな空手家ゲンを選ぶ。ゲンの真っ赤な道衣が燃えているように見える。


 「ケケッ。ボンボン、そんなに熱くなりなさんな。」


 すぐに潰したるわ。そう嘲って、対戦相手のナニワAキー坊もコントローラーを握る。選んだキャラはヒンドゥーの行者を思わせるダラ・シン、実はターバンを巻いたムスリムというクセの強い、無国籍なキャラだ。


 「花崎クン、、、頑張って!」


 驚いた、純の姉、音々の声だ。いつから病室に入っていたのか。純の対戦を見守っていたようだ。


 「オタク族、頼む!クー子と家族を守ってくれ!」


 純がバディと認めた花崎にエールを送る。花崎が振り返る。


 「お姉さん、日乃本クン。ミーを誰だと思ってるンですか?」


 そう言うと花崎は背を向け、TV画面に向かい背中で語る。僕は花崎誇、医療法人花崎会の跡取り。弱い人を救う為に生まれて来たんだ!


つづく

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