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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
45/214

第45ターン 俺っち、すり抜けられる

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 地上戦でもタイミングよくジャンピングアッパーカット飛竜拳を見事に決めた純。攻撃の手を止めない、気流拳を連発する。


 体力がかなり削られたハシミコフ、ナニワBは慎重になる。純・リョウの放つ飛び道具を垂直跳びで避けて一呼吸置く。


 「上手くインターバルを取ってやがる、やはり相手は闘い慣れしているぞ。」


 夢原はナニワ兄弟への警戒をあらたにする。確かに格ゲーは精神戦でもある。落着きを失ったらたちまち劣勢に回り、相手は一気呵成に攻め込んでくる。


 その意味では純は今が攻め時だ。この好機を逸してはならない。時間を与えればナニワBは対策を講じてくるだろう。未だ技数の少ない純、セコンドの夢原は意を決した。


 「純、攻め切れ!ラッシュだ。一気に勝負をつけろ!」


 夢原の指示が出るや純は左方向キーを2度押すとリョウがステップを踏んで素早く前進する。そして近距離の気流拳を放つ。


 ハシミコフはガードするも被弾。弾道が短く、もはや垂直跳びではかわせない。純としてはこれを反復すれば勝率が上がる。相手が焦れてガードが緩めば気流拳の餌食に出来る。


 「うう、しゃあない!兄弟、すり抜けや!」


 痺れを切らしたナニワAキー坊が、初めてナニワBヒロシに指示を出した。するとハシミコフが体を回転させ、両腕で振り回してあのプロレス技、ラリアットを繰り出した。


 「クソッ、奴め出来るのか!」


夢原の悔いたが、それは後の祭りだった。なんと、ハシミコフの回転ラリアットは気流拳をすり抜けた。かつて純の烈風脚が花崎の気流拳を無化したのと同じ技術だ。


 「何だとぉ!!」


 狼狽する純。さらにハシミコフの両腕がリョウを打ち据え、その体力ゲージを大幅に削る。


 オー・マイガッ!頭を抱える花崎、息を飲むクー子。したり顔のナニワ兄弟。


 「くそぅ、南無三!これでも喰らえ!」


 純が苦し紛れに繰り出した廻し蹴り、烈風脚。リョウの回転体はハシミコフにガードされ、ここぞとばかりにハシミコフの必殺技ジャイアント・スイングで反対側に投げ飛ばされてしまった。


 ハシミコフ、ウィン!


つづく

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