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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
43/214

第43ターン 苦杯、格ゲー勝利の方程式とは?

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 第1ラウンドは見後に純が先取した。しかし油断は出来ない。純より格ゲー経験のある花崎を一蹴したナニワ兄弟。その実力はこんなものではないだろう。夢原は警戒心をむしろ強めた。


 レディ・ファイ!第2ラウンドが開始された。純・リョウはバックステップで距離を取ると例によって飛び道具、気流拳を放つ。するとナニワB・ハシミコフが強引に距離を詰める。


 「やりぃ!飛んで火にいるナントカだ!」


 クー子が歓声を上げる。ハシミコフはまたぞろ気流拳の餌食になるのか?いや、、


 ハシミコフは咄嗟にガードして、気流拳をくらいながらも、被害を最小限にする。そして怯まず前進を続ける。


 これには純も面食らった。相手は被害を避け空中戦に活路を求める。これをジャンピングアッパーカット、飛竜拳で仕留める。この戦略に齟齬が生まれた。ナニワBは地上戦を選択したのだ。


 マズい、夢原の危惧が的中する。ナニワ兄弟はそんなに甘い相手では無かった。1ラウンド目の課題を修正してきたのだ。


 修正力、適応力と言ってもいいだろう。これも格ゲーの重要な要素だ。相手が型にハメてきたら、これから逃れる術を試合中に見出す。この能力を身に着けなければ勝ち切ることは出来ない。純には未だそれが、、、夢原も純への指示がノッキングする。


 「クソッ、コイツ無理して近づいて来やがる!」


 純は苦し紛れで気流拳を連発する。数を当てればいずれは相手も力尽きる、そう考えたのだ。否、それ以外の手が瞬時に思い浮かばなかった。そう、彼の引き出しには未だ1つ、2つの戦法しか入っていないのだ。


 体力ゲージを減らしながらも接近してきたナニワB・ハシミコフが、純・リョウの上体を掴みプロレス技のパワーボムで地面に叩きつける。なんとリョウの体力ゲージが三分の一も削られたではないか。


 「オゥ!ずるぃ、アンフェアだ!」


 花崎が抗議するも、何言うてんねん!ゲームの仕様やろが、とナニワAキー坊が即座に反論する。その通り、ハシミコフは重鈍ながら一発の技が重いキャラなのだ。


 続け様にいわゆる地獄突きを連発するハシミコフ。リョウの小パンチ、小キックを差し込ませない。なんもと姑息なファイトスタイルだ。


 最後はリョウが苦し紛れに繰り出した跳び蹴りをキャッチしたハシミコフは必殺技ジャイアントスイングでリョウを反対側に投げ飛ばした。


 ハシミコフ、ウィン!


 第2ラウンドはハシミコフがいとも簡単に取り返した。目を合わせてニヤリとしたり顔、そしてハイタッチのナニワ兄弟。病室の不快度指数は100%を超えた。純はこの苦境を打開出来るのか?


つづく

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