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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
39/214

第39ターン 俺っち、決戦まで2時間前

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 純が目覚めた。午後1時半、入院療養中に昼ドラを見る癖がついてしまった。農場を舞台にした青春物語、純は同年代のヒロインが少し気になる。


 鼻の下を伸ばしてテレビを眺めているとクー子が現れ、これを見咎める。


 「おヌシ、何をデレデレしているノダ?」


 今日は格ゲーの対戦ダロ?さあ、集中集中と騒いでドラマを消してしまう。互いにダチと認める純とクー子だが、クー子とて年頃の娘、妬けるだろう。


 早朝まで夢原の特訓を受けた純と花崎。ナニワ兄弟が遣うダル・シンとハシミコフはクセのあるキャラ。それをクセのあるプレイヤーが操るわけだから厄介な相手に違いない。


 花崎は彼らと一度闘い、敗れている。とにかくやり辛い相手だったと語ったが、一方的な試合だったらしく、そこから敵の真の力量を測ることは困難だった。


 純と花崎はマスター夢原が指導する「距離の詰め方」「間の取り方」の訓練に終始した。つまり前ダッシュとバックステップだ。方向キーを素早く二度押す、リズムが肝心な基本動作だ。


 「理詰め?麻取?なんかヘンチクリンな感じダネ」


 クー子が磊落らいらくに笑う。昨日は昔馴染みにあまつえ過去を暴露され脅しにあったクー子だが、心はいつもラムネ色だ。クー子があらたまって言う。


 「純、ありがと。闘ってくれて。」


 「よせよ、水臭い。」


 あのキザなオタク族に礼をいいな、と純がクー子に返した時、花崎が病室にやって来た。目の下に出来たクマは努力の証、彼もまたクー子を守る為に立ち上がった。


 レディース、アンドォ、一般庶民の日乃本クン。今日はミーの活躍を黙って見ているだけでいいよ。ユードントケァ。


 「マッタク、キザな野郎だゼ。」


 純の一言に三人はどっと沸き、肩を寄せ合って哄った。ナニワ・エキスペリエンスとの決戦は2時間後に迫っている。


つづく

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