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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
34/214

第34ターン クー子・恐喝される

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 瓜二つの大阪人コンビ、ナニワ・エキスペリエンス。どうやらクー子の過去を知る、厄介な連中だ。


 唐突に彼らは純に格ゲー対戦を要求してきた。突然のことに驚く純、目的は何か?訝しむ格ゲーマスター、夢原省吾。


 しかしクー子をダシに使ってくるあたりから、彼らが悪辣なタッグチームであることは想像に難くない。


 「オイッ、おめえら俺っちと闘えだと?」


 ハァ〜、純が拳を息を吹きかけ臨戦体制に入ると、クー子が慌てて割って入る。


 「純!ヤメて、こんな奴ら相手にせんといて!」


 「こんな奴らとはエライご挨拶やなぁ、クー子。」


 クククッ、ナニワ兄弟が哄う。


 「お前のオカンは誰に借金してると思うてんのや。弟の学費、誰が立て替えてると思うてんのや?」


 ウッ、小さく呻くクー子。母はコイツらに借金をしてしまったのか?陽気で大雑把だった母のこと、あるいは。状況、真実、クー子には分からない。ナニワ兄弟の虚言の可能性もある。


 「嘘をいいなさい!」


 ナニワ兄弟をピシャリとはねつけたのは純の姉、音々だった。無論、嘘をつくな、の意。日本語は複雑だ。


 わが国の社会福祉は世界に冠たるもので、ひとり親家庭に対する手当もかなり手厚く、また学費に関しては地域によっては無償化されている等、充実した制度が整っている。


 よって、子育てを通じて借金を重ねて多重債務に陥る等、世界でトップクラスの経済力を持つ日本にあっては、前時代的で今では非現実的である。つまり彼らの話は捏造なのだと論難した。


 「アンタ、どこの誰か知らんけど、この証文見てみいや。な、クー子も見てみィ。」


 そう言うとナニワ兄弟は概ね縦30センチメートルの紙、ビジネス界に君臨する所謂A4のペーパーに記された借用書を示してみせた。


つづく

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