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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
33/214

第33ターン 俺っち、クー子の過去を知る

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 純は初めてと言っていい。クー子の真っ暗な表情を見たのは。明るい下町のサンシャイン、クー子。それが大阪弁を漏らし、絶句している。


 一体何が起きているのか。純と夢原が真相を知るのに時間は掛からなかった。二人の闖入者がクー子の過去を暴露したのだ。


 「久しぶりやなぁ、クー子。お前がアマを離れて何年になる?」


 瓜二つ、お揃いのジャージ姿の一人が馴れ馴れしくクー子に近づく。どうやら彼らはクー子の古い知り合いらしい。


 夢サン、アマって何だ?純が当惑する。きっと尼崎のことだろう、兵庫県下にあるオオサカだ、夢原が当たりをつける。


 「クー子、お前ら親子が夜逃げして、まさか静岡に隠れてたとはなぁ。」


 もう一人のソックリーズがネチッこい眼でクー子を舐め回す。


 「夜逃げやなんて人聞きの悪いこと言わんといて!お父ちゃんとお母ちゃんは故あって離婚したんや!」


 ハイカラな言葉遣いから、純はてっきりクー子の出身を東京方面だと思い込んでいたが、それはドギツイ大阪弁を韜晦する為だったようだ。


 そもそも純とクー子の出会いは小学校時代に遡る。転校生のクー子が独りぼっちでいるところに純が声をかけた。港から潮の香りが届く小さな児童クラブ。たしか明るい夕方だった気がする。


 陽気な純と気っ風がいいクー子。意気投合した二人はその後、性別を越えた友人となったが、純はクー子の家族について余り詳しくは聞かされていなかった。


 「どんな訳があったか知らんけど、そのお母ちゃんとお前の弟はアマで苦労してるみたいやでぇ。」 


 ソックリーズの一人が謎をかける。


 なんやて!お母ちゃんらにアンタら何かしたんか?!狼狽するクー子、クククッと嘲笑するソックリーズ。


 「おっと、俺等はそっちのお兄さんに用があるんや。よう、兄さんや。俺等と闘うんや。」


 俺等はナニワの格ゲー兄弟、ナニワ・エクスペリエンスと、二人は唱和した。


 「格ゲーで対戦や!さもないと、仲良し小好しのクー子が泣くで。クー子の家族が悲惨なメに合うでぇ〜」


つづく

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