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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
212/214

第212ターン 俺っちの混乱と一筋の光

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 俺はどうすればいい?どう生きて行けばいい?純は叫んだ。


 大事故の後遺症がいつ癒えるのか分からない。今後、車椅子無しで暮らしていけるのか。真面目に考えてしまうと眠れない夜もある。


 行きがかり上始めた格闘ゲーム、育んだ友情と純粋に好きになった格ゲーの世界。が、それはこの世を去った父と深く深く関係していた。


 そして、その父は死んでいなかったかも知れないという新たなストーリィー。


 格ゲーと出会ってからたった数ヶ月、平穏だった日乃本 純の17歳は、目まぐるしい日々に激変した。


 今、純は混乱している。純は道標みちしるべが欲しい。姉の音々は切なそうに純を見つめ、心の中で救いを求める。夢原サン、純を導いて、、、


 花崎、クー子、蛭田、makoにム〜ド。チーム夢原の面々は痛々しい純の姿に声を上げることができない。


 Dr.花崎、事務長、そして神獣倶楽部の面々さえも神妙な顔つきで純を見守る。再び関帝廟に沈黙のときが訪れた。


「格ゲーを続けなさいよ、馬鹿ゲーマー。」


 何だとぉ!!反射的に怒りたける純を例の彼女が突き放す。花崎蘭子、麗しき狂乱の令嬢だ。


「今のあなたに何か他に取り柄でもあって?ア〜ハッハッハッハッ!!」


 しかし、いつもの罵詈雑言とは声の色が違う、調子が異なる。あの蘭子が純を励ましている。


「しっかりしなさいよ、馬鹿ゲーマー!格ゲーを続ければ、あなたのお父様にいつか会えるかも知れないじゃない!!」


 えッ!我に返る純。互いの顔を見合せるチーム夢原の面々、成程。コーチmakoがその思いを代表する。


「確かに、未だ日乃本タケル氏が生きていて、Dr.木浪の言うとおり闇の結社、国際格ゲー連盟にいたとすれば、」


 ルンペンのオッチャンが話を繋ぐ。


「坊主*が格ゲーの猛者になれば、格ゲーの高みを極めれば自ずと、、」


[註]坊主...純のこと


 お、親父に会えるのか?会えるかも知れねえのか!?


つづく

 

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ム〜ド む〜ど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

ム〜ド同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。ドクター花崎に恨みを抱いていた。


・ルンペンのオッチャン

 自らを自由なる人と呼ぶ初老の男。makoの知人らしい。


・木浪伸之介

 脳外科の世界的権威。日乃本 尊と繋がりのある人物。格闘ゲームのリハビリ応用を研究していたようだ。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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