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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
187/214

第187ターン 戦慄の画面端、地獄の子守唄

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

「オイコラッ!恥とはなんだ、恥ずかしいのはお前ら珍獣倶楽部ナノダ!」


 直情径行のJK、クー子が純の汚名を晴らさんと猛抗議する。恥との言葉に純がおとしめられたと思ったようだ。


「違う、クー子ちゃん。画面端がめんはじ、モニター画面の端っこという意味だよ。」


 クー子専任コーチのム〜ドが愛弟子を優しくたしなめる。が、その言葉とは裏腹に眉間をシワを寄せる厳しい表情だ。


 厳しい表情はmakoも同じだ。花崎とクー子は純に何が起こったのか、未だ分かっていないようだ。


「画面端、小生も聞いたことはあったが、、これが地獄の雪隠詰め也か、、」


 バックステップで相手の攻撃を避けることが出来ない、バトルゾーンの行き止まり、それが画面端だ。そこに純は自らその沼にハマってしまったのだ。


「ねぇニヒル、純はどうして逃げれないノダ?行き止まりなんて、オカシイのだッ!」


 そういうゲームとしか言いようがない、蛭田は制作サイドに代わって苦しい答弁をしたが、makoが巧みにフォローする。


「言うてみたら相撲の土俵みたいなもんなと思ったらええねん。」


 ドヒョ〜!と、くだらないリアクションで驚きを表す下町のコメディエンヌ、クー子。純・リョウの劣勢には何の役にも立たない小芝居だ。


「コーチmako、画面端に追い込まれると、、、テルミー。」


 不安げに尋ねたカピタン花崎にmakoはあれを見ろと言わんばかり、形の良い尖った顎をモニターに向ける。


「キヒヒヒ!殴り放題ですぅぅ〜!!」


 右の画面端で純・リョウを血祭りにあげる不快指数200%男、青木が操る魔人カトー、コンボの連発に純・リョウは成すすべがなく、瞬く間に体力ゲージが減っていく。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ム〜ド む〜ど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

ム〜ド同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ルンペンのオッチャン

 自らを自由なる人と呼ぶ初老の男。makoの知人らしい。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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