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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
17/214

第17ターン 俺っち、格ゲーコーチに師事する

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 格ゲーデビュー戦で花崎に惨敗した純。しかしリベンジの糸口を見い出し、三日後に再戦を約した。

 花崎攻略の要点はコマンド技の習得。あの気流拳だの飛竜拳だのを覚えればいい。そうすればきっと花崎と伍することが出来る。


 そう思ってクー子と特訓に入ったが何せコマンド技のやり方が分からない。クー子が花崎にネゴしてバト2のマニュアルを手に入れたが、それは勘所が黒塗りされたコピーだった。


 花崎はゲーム購入者にしか全面開示できない、著作権の保護だとヨクワカラナイ主張のゴリ押しでクー子を煙に巻いてしまった。


 黒塗りされたコマンド技のやり方を確認できないか、火で炙ろうとするチャレンジグなクー子。果汁で書いた文字の要領だろうが、もちろん何の効果もない。


 途方に暮れる純たちは気晴らしに病院一階のホールにやって来た。ここにはコンビニがあり、別棟のリハビリ患者らも利用している。


 車椅子に乗っている純とソファに座る姉の音々は、クー子が飲み物を買って来るのを待っていた。


 するとコンビニから大きな怒鳴り声が響く。なんでバーボンがないんだと難癖をつける客がいるようだ。


 病院ですからアルコールは置けないんですと店員、だったら消毒用のも撤去しろよと難癖オジサン。


 レジに並んでいた正義派クー子が黙っていられない。止めなさいよ、店員サンが困っているでしょ、とお説教をぶつ。


 店員も諭す。夢原サン、明日から新しい病院でリハビリなんでしょ、お酒ばっかり飲んでちゃ駄目よ。


 ナンダヨ、(うるさ)い女どもだと罵った時、アル中の難癖男、夢原の目にクー子が持っていたコピーが目に入った。


 「お、お嬢ちゃん、それはバト2のマニュアルじゃあねえのか?」


 「そうよ、オジサンよく知ってるね。でも大事なとこが隠されていて、困ったことにコマンド技が分からないノダ。」


 「そうか。コマンド技が知りたいか。俺は明日、ここから追い出される。置き土産だ、格ゲー、教えてやろうか?」


 「え、アル中オジサン、格ゲーできるンですか?おーい、純。アルのオジサマがバト2、教えてくれるって。」


 そうクー子が純に伝えた時、夢原と音々の目が合い、飲んだくれのニヤけた表情がサッと消え、真顔に一変した。音々は目を逸らす。


 美人の音々によく起こる、純やクー子にとって見飽きた光景がそこにあった。


つづく

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