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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
168/214

第168ターン 崩壊!?チーム夢原

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

「純!オタク族は純を、格ゲーを利用なんかしていないノダ!オタク族を、チーム夢原を信じるノダ!」


 花崎蘭子の陰謀論に惑わされ、一戦目を完敗した純をクー子が叱咤する。親友マブダチにしかできない心のケアだ。


 しかし、疑念の渦中にある純はそのクー子の言葉さえにわかに信じることが出来ない。疑いがこうじて格ゲーと出会うキッカケとなった入院、その原因の交通事故さえ仕組まれたシナリオのように思えてくる。


「く、クー子、、やけに花崎の肩を持つじやあないか。まさか、お前もグル、、」


「純!なんてこと言うの!」


 姉のねね々が血相を変えて鋭く純を制する。下町の太陽クー子も悔しそうに唇を噛み、言葉を繋ぐことが出来ない。あれ程一体感のあったチーム夢原は今や解体寸前の危機にある。


 この修羅場をコーチmakoがなんとか収めようと花崎に目配せをする。ヲタくん!ちゃんと説明するのよ。が、花崎は素直に言い出せない。


 名門病院の跡取り、そのレッテルが幼少期から彼と彼の同級生達に微妙な距離を作ってきた。どこかしら特別扱いされる彼に対して、周囲の子ども達は遠慮とシラけた感覚で付き合っていたのだ。


 花崎自身は万事優秀な妹、蘭子との比較の中で自尊心と折り合いが付かず、不遜に振る舞っては鼻持ちならない奴と敬遠されて小中学校時代を過ごした。


 そして高校、医科大学を目指して進学塾に通うも結果が伴わない日々。そこで出合った格闘ゲーム。格ゲーの訓練と対戦を通じて成長を促してくれたレジェンド夢原。なんでもオープンで爽やかな二人組、純とクー子。そして密かに想いを寄せる、、、


「ああ、なんとでも言えばいい!自分が利用されていたと思うなら、日乃本、ユーの勝手だ!」


 花崎の衝撃発言に関帝廟は凍てつき、花崎蘭子でさえ唇を歪めて沈黙してしまった。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ムード むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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