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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
162/214

第162ターン サスペンス?!嗤う蘭子

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 マイクを使っての半ば反則攻撃、このトリッキーなセイント・リカの奇策がチャン・リーを操る花崎蘭子のペースを乱し、焦った蘭子の隙を攻めてクー子のセイント・リカが劇的な勝利を収めた。


 崖っぷちからした逆転したクー子は重圧から開放され放心したのか、突伏して動こうとしない。少し震えているようだ。心配した専任コーチのム〜ドが駆け寄り肩に手を掛けようとすると、


「イェース!!」


 目をいて左拳を突き上げ、観衆にアッピールするクー子。ブラックミュージックの大物か、あるいは米マット界のスーパースターを思わせるようなパフォーマンスに関帝廟が熱狂の坩堝るつぼと化す。


 チーム夢原の面々がクー子に駆け寄り、その勝利をセレブレイトする。やったなクー子、純がクー子とハイタッチ。どさくさに紛れてム〜ドはクー子に抱きつこうとするが、これにはmakoが空手チョップでお仕置きする。


 グッジョブ!とサムズアップのカピタン花崎、見事に御座候と蛭田も称賛を惜しまない。団体戦勝利に王手をかけたチーム夢原に強く固い一体感がかもされる。


「ク、ククッ、、クククッ、、」


 笑い声が聞こえてくる。クー子に惜敗した蘭子が何故か笑っているではないか。


「オイッ、ランラン!何が可笑しい?負け惜しみか?見苦しいゾ!」


 純の口撃に蘭子はこらえられないといった顔つきで大声で笑い出す。ア〜ハッハッハッ、ア〜ハッハッハッ!


「見苦しい?このアタクシが?ア〜ハッハッハッハッ!見苦しいというより、悲しいのは格ゲーおバカ、日乃本純、ア・ナ・タですわよ。ア〜ハッハッハッ!」


 今にも涙を流さんばかりに大爆笑する花崎蘭子。これにつられたのか、神獣倶楽部の面々も声を合わせてゲヒゲヒと笑い始めた。


「オレっちが悲しい?どういうことだ、ランラン説明しろッ!」


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ムード むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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