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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
154/214

第154ターン 意外!第二ラウンドの結末

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

「クー子ちゃん、まずは垂直ジャンプで対応して!」


 ム〜ドの指示もクー子は狼狽を隠せない。朱さん・チャンリーの飛び道具、掌底波ショウテイハに対してナーバスになり、攻めのペースが作れない。


 一方でチャン・リーは飛び道具を愚直なまでに連発して、クー子を牽制し続ける。が、素人には難度の高いタメ技ゆえにか、発生が不安定だ。


「却ってそれが厄介也。」

「ディフィカルト、ディフェンスのリズムが作れない、、」


 蛭田と花崎がクー子の心境を代弁する。クー子の親友マブダチ、純はなりふり構わずクー子を擁護する。


「オイッ!ド近眼人民服、詰まんねぇゲームすんじゃねぇよ、自己反省しろッ!!」


 そんな野次に反発したのか、チャン・リーが飛び道具に合わせて前ステップを踏み、リカとの距離を詰める。中々の立ち回りだ。


「フンッ、飛んで火に入るイルハンなのダ!」


 リカがチャンスとばかりにジャンプ着地時にローリングソバットを→○を放つが、チャン・リーはこれを巧みにガード。そして足元に小キックを連発、その反復速度は神経症を思わせる。リカにダメージが蓄積していく。


 焦るリカは小パンチを繰り出し、チャン・リーに連発ヒットさせるが、二発目のヒットでリカとチャン・リーに程よい距離が生まれてしまう。


 そのタイミングで、これで終わりですワと言わんばかりにチャン・リーが百発蹴を発動させる。狂ったように○ボタンを連発する朱さんには鬼気迫るものがある。


 ぎゃあああ!リカの断末魔の叫びが響くとチャン・リーの勝利をレフェリーが告げる。チャン・リー、ウィン!


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ムード むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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