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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
153/214

第153ターン 朱さんの反撃、始まる

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 レディ〜ファイ!ピカピカ先生のコールも堂に入ってきた。有名ディスクジョッキーを思わせる低音と巻舌がプロ顔負けだ。

第二ラウンドが始まる。


 第一ラウンドを圧勝したクー子はその勢いのままに朱さんのチャン・リーに襲いかかる。ロングレンジのヒップアタックを繰り出すとこれがチャン・リーにクリーンヒット、幸先よく先手を取る。


「ようし、アンヨを狙ってやるノダ!」


 果敢なクー子は攻め手を止めない、これがム〜ドが教えた自由な闘い、フリーファイトだ。チャン・リーの立ち上がり際に対してしゃがみ大キック↘R2をお見舞いする。


 が、今度は朱さん・チャンリーがこれを読んでいてガードを硬く固めていた。まるで全てお見通しだ、と言わんばかりの雰囲気を醸す留学生の朱さん。そして、


荒熊倒コウヨウトウ!」


 必殺の投げ技でクー子・リカを地面に叩きつける。リカの体力ゲージがグッと減る。


「オイッ!クー子、調子に乗るなッ!人民服はオメェの技を読んでるゾ!」


 純が堪らず声を上げると、ム〜ドも目先を変えて行こうと、クー子に指示を出す。仕切り直しとばかりにクー子はバックステップ。距離を取って立ち回りをリセットしようとした時、


掌底波ショウテイハ!」


 なんと朱さん・チャンリーのてのひらから飛び道具が放たれた。かつてクー子がエド主水戦で即興で繰り出した、あのタメ技がリカを襲う。


「ワッワッ、ヤメレ〜!」


 垂直ジャンプで弾*をかわしたリカだが、想定外の状況に心理的には一気に追い込まれた格好だ。


 [註]弾...飛び道具のこと


「マズい。弾をかい潜り、相手との距離を詰めるスキルは、、クー子ちゃんには未だない。」


 シビアな表情のム〜ド、口を真一文字に結ぶmako。チーム夢原の二勝目に暗雲が立ち込める。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ムード むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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