表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
133/214

第133ターン 第二戦、ゲンvsガット始まる

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

「フン、言葉はいらねぇゼエ。」


 白井虎之助が選んだキャラクターはガット、ムエタイの猛者だ。このキャラクターの目を引く特徴は大きさ。白井自身と同様にかなりの大柄だ。


「オイッ、クー子。アヤツさっきから、ゼエとか言ってるけど何かのマネか?」


「スギちゃんだゼエ、純。今スゴく流行ってるノダ。ワイルドだろッ?」


「う〜ん。。おさむちゃんなら知ってるが。」 


「そぉ〜ナンですか、川崎さん。」


 純とクー子のノスタルジックなキャッチボールは果てなく続くが、とまれ、対戦に集中しよう。


 ゲンとガットは技のレパートリーがよく似ており、その意味では花崎にとっては動きを読み易い相手には違いない。実際、何度かCPU戦をやったことはあり、「感じ」は掴んでいるつもりだ。


 しかし、それは相手にとっても同じこと。いわばミラーマッチだ。さて、勝負を分けるものは何になるのか。


「両者、準備はいい?」


 静岡はサンシャイン学院から出張してきたピカピカ先生が、引き続きレフェリーを務める。


「オイッ、オタク族、頼んだゾ!」


「タンゲダンペイ*なんかに負けんな!」


[註]禿頭に眼帯の意。ここではガットの風貌を指す。


 純とクー子が花崎に声援を送る。試合を終えた蛭田は腱鞘炎対策のアイシングしながらチーム夢原のダッグアウトで花崎を注視する。


 坊っちゃん頑張れ、の声もする。事務長ら花崎応援隊が横浜まで来ているようだ。


「ヲタくん、まずは見ていこう!相手の力量を測るんや。」


 コーチmakoの指示とほぼ同時に闘いの火蓋は切って落とされた。レディ〜ファイ!


 花崎・ゲンはmakoの指示どおりバックステップで距離を取り、飛び道具の気流拳を挨拶代わりにお見舞いする。


 これに対して白井・ガットもゲンと全く同じムーブで飛び道具を放つ。


「ムエタイショット!」


 二つの飛び道具が衝突して潰し合う。その破裂音と激突の光は、まるで今から始まる熾烈な闘いのファンファーレの様でもあった。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。ゲーマーだった父の死を悔み、純をゲームから遠ざけてきた。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。かつて純と音々の父、日乃本尊に格ゲーと人生を学んだ。


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。


・ム〜ド むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。どうも怪しい動きを、、、


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ