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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
126/214

第126ターン 蛭田、神獣戦の先鋒を買って出る

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 なんと頼もしい助っ人か。格ゲーを通じて分かりあえた、あの蛭田がチーム夢原に加わる。しかしながら、天邪鬼が時々顔を出すのが純でもある。


「お、オイッ、ニヒル、なんだよ急に助太刀なんて。俺っち達はついこの間、闘ったばかりなンだぜ。」


「無論、小生にとって貴殿は越えるべき好敵手。が、昨日の敵は今日の味方ともいう。」


 ア〜もう、どうなっちゃてるノダ?クー子も気持ちの整理がつかずに悶えている。ムードとmakoは事態の推移を慎重に眺める。


「この胡散臭い、神獣某どもに鉄槌をおろす。」


 そう蛭田は言うとゲーミングチェアに座りコントローラーを手にする。


 すると今まで黙っていたねね々が蛭田に問う。


「蛭田クン、教えて。どうしてキミが夢原さんの帽子を被っていたの?」


 夢原が純らのもとを去ったのは音々との約束を守れなかったから。翻れば、音々さえ夢原を許せば彼は純ら弟子達と別れることはなかった。


 だから、音々は気になる。その後の夢原の消息が。


「姉御殿、あのサンシャイン学院での対決の後、小生どうしてもマスター夢原の指導を受けたくて、静岡を去ろうと駅に向かうマスターを追いかけました。」


 そして無理を承知で指導を申し出ました。やさぐれたゲイルではない、待ちゲイルではない、闘いの主導権を握るゲイルを教えて欲しいと頼み込みました。


「で、夢原さんは?」


 同じゲイル遣いだったからか、少しだけならと3日だけ小生に稽古をつけてくれました。そして4日目の朝早くに消えていました。この帽子だけを残して。


 黒にhマークのキャップ。音々の脳裏に夢原の面影が浮かぶ。


「ユーはそのブラックキャップの意味をチーム夢原の一員となれ、そういうメッセージだと受け取ったんだな。」


 花崎の言葉に、そんなところで候と、蛭田は返してあらためて純達に、そして神獣倶楽部に宣告した。


「小生は格ゲーレジェンド、夢原省吾の弟子、チーム夢原第4の格ゲーマー也。」


雑魚ども、どこからでもかかってこい!


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と音々の父にして、夢原の師匠。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄


・神獣倶楽部 しんじゅう くらぶ

青木、白井、玄田の格ゲー三人組。日乃本尊の実相を知るとされる。純らの次なる対戦相手。


・ムード むーど

夢原が自分の代わりに純らのもとに送りこんだ新コーチ。ちょっとエッチでお尻が好き。


・mako まこ

むーど同様、夢原の仲間で純らの新コーチ。大阪からやって来た理系女子。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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