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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
106/214

第106ターン 決着!リョウ対ゲイル

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

闘う二人がまるで息を合わせたかのように必殺技を放った。蛭田・ゲイルのサマーソルトキックと純・リョウの飛龍拳が画面やや左で交錯する。


 勝つのはどっちだ。格ゲーの女神は皮肉な、そして示唆に富んた結末をデザインした。


 一瞬早く技を繰り出した蛭田・ゲイルのバック宙キックは空を切り、これを下から衝き上げるようにして純・リョウのジャンピングアッパーカット、飛龍拳が突き刺さる。


 ウォォォ!ゲイルの断末魔の叫びが会場に響くと同時にリョウ、ウィン!!のジャッジがコールされる。レフェリーのピカピカ先生も昂りを抑えられず絶叫する。


 リョウが勝った、純が勝ったのだ!歓喜を爆発させるチーム夢原の面々。三人で抱き合うように純を囲むクー子と花崎。


 が、純の顔は浮かない。


「勝ったのは俺っちじゃない。オマエだ、蛭田。」


 目を伏せ横を向き、蛭田は何も語らない。代わりに純の思いを語ったのは姉の音々だった。


「たしかに、先に踏み込み一瞬早く技を出したのは蛭田クンのゲイル。」

「純のリョウは一歩遅れた分だけゲイルの攻撃を避けることが出来、そして宙に浮いたゲイルを下から攻撃出来た。」

「攻める勇気を前に、より多く出したのは蛭田クンだったね、純。」


 姉ちゃん、、格ゲー嫌いの姉がとうとうと感想戦を語り始めたことに純は驚きを隠せない。いや、もう驚かない。だって俺たち姉弟の親父は、、、


 そんな様子を拳を握り、感無量の表情の夢原。その目は潤んでいる。タケさん、音々ちゃんと純クンはこんなに立派に育ちましたよ、、


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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