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第1ターン 俺っちは純!
「何だよ、ゲームのプロ選手って!どうせオタク族の連中がやってたンだろ〜ハハハッ」
「ちょッとぉ、オタク族って!モぅ、純ったら!」
日乃本純は元気いっぱいの高校生二年生、少林寺拳法に熱中する毎日だ。幼馴染のクー子とは児童クラブ以来の付き合い。言いたいことは何でも言い合える、そんなサッパリした仲だ。待ちなさいよとクー子が純を追いかける。
いつもと変わらない今朝の通学時間、いつもの時間に、いつも通りに酒屋の角を曲がった時、いつもとは違う景色が純の前に立ち塞がった。10tトラック。
純が目を覚ました。見慣れない部屋、一人きり。体が動かない、なんとか首を横に向ける。かすかに浮かぶ英語。ICUってなんだ。ここは?え、俺っち、病院にいるのか??
つづく