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月と蛍が導く恋物語    作者: イオ・フレミング
1/1

〜先輩との出会い〜

今回初めての投稿になります。正直小説と言えるかわかりませんがまずは書いてみました。

皆さんのコメントやいいねなどを見ながら次の投稿内容を考えたいと思います。

よろしくお願いします。

 大学3年生の夏が始まっていた。今年も暑く去年よりも倒れそうな暑さだ。

 こんな暑い中自分はいつも通りの大学生活を送っている。正直やりたい事や今後の事を考えてはいるが、あまり考えたくない。なぜなら過去や未来に触れたくないからだ。


「今年の夏は暑いからちゃんと水分を摂りながら大学に行きなさいよ」

「わかってるよ、いってらっしゃい」

「大学頑張りなさいよ!」


 自分の親はよほど過保護過ぎるのか毎日関わってくる。正直鬱陶しい時もあるが日常生活の定番会話だから何とも言えない。

 自分で朝ごはんを作りニュースを少し見てスマホをスピーカーに繋げて好きな曲を聴きながら大学の準備をする。大学の準備が終わり身だしなみを整えて家を出る。太陽が指す光は眩しく暑い。この感覚は演奏会の時と同じ感覚だ。正直過去の事であまり思い出したくはないが体に染み付いているからしょうがないと思いつつ歩き出す。大学は電車を使って1時間かかる場所に位置している。その通学時間はとても好きであり落ち着く。なぜなら電車の風景と音楽がマッチして聴いている音楽の世界に入り込めるからだ。そして通学時間には楽しみがもう一つある。唯一の親友である宮本信成と合流して一緒に登校出来る事だ。


「おはよー龍馬!今日も暑いなー」

「ホントだよ。最近の日本の暑さには耐えられないよ」

「暑くても体力はお前あるだろ?高校までは部活とか筋トレやってたじゃん」

「やってたけどもう2年もやってないよ。多分もう筋力も体力も落ちてるよ」

「そんなこと言ってこっそり運動とか筋トレやってるでしょ」

「なんでそれ知ってんだよ!?」

 とっさの発言に動揺してしまい図星を突かれたと感じて思わず表情や身体が反応してしまった。

「え!?マジだったの!?」

「あ、いや、、、その、、」

「何だよ、だったら俺にも教えてくれよ。一緒に今まで運動とか筋トレやってたじゃん」

「隠すつもりはなかったけど、やっぱり試合の動画とか見てるとやりたくなって、、、」

「なら今度一緒にやろうぜ!久々に龍馬と運動したいんだ」

「分かったよ。大学の空きコマとか休みの日にやろう!」

「俺も部活とかバイトとかその辺調整してみる」


 電車内での出来事はいつも楽しみだ。まるで映画の冒頭シーンにある主人公と親友の会話を連想する。信成は昔からの唯一の親友でいつも俺と行動してくれていた。もちろん喧嘩とか色々とあったけどそんなことは関係なく接してくれている。

 そろそろ電車が駅に着き2人で大学に向かう。大学はとても広く山を2個とか3個とか削って作られている。古い校舎も新しい校舎も一緒にあるため授業ごとで雰囲気が変わる。そして大学でもう1人出会う。


「おはよー!龍馬!信成!」

「彩芽!おはよ!」

「おはよ」

 龍馬と信成はいつも通り返事をした。自分も流れで挨拶をした。

「相変わらず作詞作曲やっているのか?」

「やってるよ!今度の新作はすごいんだから」

「へぇ〜それは楽しみだね。今度出来上がったら聞かせてよ」

「良いよ!私も曲に対する意見が欲しいから」


 この会話は信成と彩芽のいつも通りの会話のテンポだ。それとは逆で自分はあまり人と話すのは得意ではない。だけど彩芽はこんな自分にも話しかけてきてくれる。彩芽とは中学から一緒だったからあまり緊張はしない。


「龍馬ってピアノやってたよね?」

「まぁ、、、やってたけど」

「なら今度の新曲手伝ってよ」

「俺はそんなに上手くないよ」

「そんなこと言って〜今もピアノの先生に習ってるから大丈夫でしょ」

「それはそうだけど、、、今はスランプだからな」

「お願い。今回ピアノが欲しいの。お願いだよ〜」


 急な誘いに戸惑いつつも彩芽のことは信用はしている。だから引き受けても良いが正直自信はない。でも暇な時間を過ごすよりは音楽をやりたい。


「分かったよ。引き受ける!」

「やったー!じゃあよろしくね」

「信成にもお願いして良い?」

「俺は何をやるんだ?」

「ボーカルを頼みたい」

「ボーカル、、、うん良いよ!」

「やった!じゃあ3人で作り上げよう!」


 いつも音楽や昔の話をしながら大学の教室に向かうのがいつもの日常だ。でもこの時間は楽しい。

 今回は3人で映像の授業を取っている。なぜの授業を取ったのかと言うとグループで映画を最終的に作り、それが最終課題になるため面白いと思い3人で取った。そして今日はグループ発表の日だった。


「今日からグループ分けをしてグループ毎に作品名、コンセプト、グループ名、撮影場所、など諸々をプリントに書いて提出してください。提出したグループから撮影に行っても良いし、今日は解散で後日撮影でも大丈夫です。とにかく今日はプリント提出とSNSとかを使っていつでも連絡できるようにしたら好きに動いて大丈夫です。授業時間内であれば教室にいるので質問受け付けます。はい、ではグループ発表します」


 この時少し緊張していた。自分は信成や彩芽としか話せないから、もしバラバラになったらどうしようと不安や恐れがあり少し怖かった。


「はいチームAは君たちね」


 どんどん発表されていき、そして最後の班になった。


「最後のグループは坂口龍馬、宮本信成、橋本彩芽、佐々木菊乃、はE班でお願いします」


 この時少し動揺した。今までのグループは見た感じみんなバラバラになっていたのに何故みんな一緒になったのか、、これは神様が仕組んだのか?まぁ1人知らない人がいるけどとりあえず安心した。


「それぞれ席移動して初めてください。メンバーに対して何か意見がありましたら先生のところまで来るように」

「俺ら奇跡じゃね!?なかなか無いよなこんな事」

「ホント!ホント!信じられないくらいの確率で一緒になったよね」

「自分も安心しちゃったよ」

「後は佐々木菊乃さんだっけ?どんな人だろうね」


 龍馬と信成と彩芽は嬉しさもありながら話し込んでいると、、、


「ここはE班出会ってますか?」


 急に彩芽の後ろから声が聞こえたので彩芽は少し驚いた。


「わぁ!?びっくりした。そうですよ。ここはE班です」

「驚かしてごめんなさい。これからよろしくお願いします」


 これが自分と先輩との初めての出会いだった。気品があり高貴な感じがした。まるでお嬢様?それともよくある異世界とかにいる一国の王女なのかと思えるぐらい綺麗な人だった。しばらく3人は見惚れてしまっている中、先生が手にマイクを持った。


「言い忘れてた。ちゃんとグループ内で自己紹介をしなさい。ここでの関わりは君たちの親睦を深めつつ授業が終わっても一緒にいれるような形になりなさい」


 少し疑問があった。先生たちは何故俺たちを一緒にしたのか。それは信成も彩芽も同じく思っていた。でもそれは後で考えるとしてまずは自己紹介が大切だと思った彩芽が話だす。


「じゃあ自己紹介しよう!まずは私から。3年橋本彩芽です。作詞作曲とスポーツしています。龍馬と信成とは中学生からの付き合いです。よろしくお願いします」

「はい、次は信成、よろしく!」

「俺かよ。分かった。3年宮本信成です。運動全般が出来て行事毎にはかなり取り組んでいます。龍馬とは小さい頃からの友達というか親友です。彩芽とは中学からの付き合いです。よろしくお願いします」

「はい、次は龍馬の番だぜ。頑張れ!」

「あ、うん。じゃあ始めます。3年坂口龍馬です。一様音楽とスポーツは出来ますが、音楽はスランプ中です。信成は親友で彩芽とは中学からの付き合いです。よろしくお願いします」


 ひとまず3人の自己紹介が終わった。少し緊張したが、2人がいてくれて落ち着いた。


「では、私の番ですね。4年佐々木菊乃です。基本的に1人でいる事が好きですが、今回はグループでの活動なので協力します。よろしくお願いします。」


 先輩はあまり自分の事を話さず、すぐに自己紹介が終わってしまった。不思議な人であるがやはり気品があり高貴な人だと思った。3人とも少し気にしつつも彩芽と信成が話を進める。


「じゃあ自己紹介も終わったからとりあえず連絡先交換しよう」

「俺たちはLINEやっていますが、佐々木先輩はやってますか?」


 信成は佐々木先輩に尋ねた。


「私はスマホを持っていますが、LINEはやっていません。どういうものなんですか?」


 3人とも驚いてしまった。今の時代にLINEをやってない人いるんだと。


「LINEはスマホやパソコンを利用して友達同士のコミュニュケーションを出来るアプリです。電話も会話も出来ますよ!あとアプリは無料なので自由にダウンロード出来ますよ!」

「後々、友達とグループを作る事ができて楽しく会話したり情報共有ができるので便利ですよ」

「なるほど。じゃあ早速今入れてみますね」


 佐々木さんはスマホを取り出しアプリをダウンロードして諸々の事を信成と彩芽が教えて設定が終わった。そしてグループを作りチャットやスタンプを使い確認をした。


「よし、これでいつでも話せるね」


 信成が司会者となりどんどん会話を回す。


「じゃあまずテーマとかジャンル決めましょう!」

「みんな何系の映画見ます?」


 彩芽は早速答えた。


「私は恋愛ものとかホラー系見るよ」


 その次に信成が答えた。


「俺は恋愛とかSF系とかスポーツ系を見ますね」

「龍馬は何見るんだよ」

「自分は恋愛とかスポーツ系のものを見ます」


 自分の口からめずらしく発言をしたので何故か自分で不思議に思いつつも会話に入ろうとしていく。


「佐々木菊乃さんは何見るんですか」

「私は恋愛、スポーツ、SF系を見ますよ」


 ひとまず全員のジャンルをメモして信成がまとめていく。


「なるほど。総合すると恋愛が良いかな?」

「私は良いよ。恋愛ものはストーリーとか考えやすいし」

「私も問題ないです」

「自分も問題ないです」

「よし。じゃあジャンルは恋愛で行きましょう」


 ジャンルが決まり、次にテーマとコンセプトを決める流れになっていく。


「テーマは中々決まらないのでまずコンセプト考えましょう」

「舞台というか撮影場所はこの大学にします?」

「校舎も新しい、古いものがあるから良いんじゃない?」

「確かに、そして男女ともに2人いるからそれぞれの恋愛物語が出来るね」


 これでひとまず大まかなコンセプト、ジャンル、撮影場所が決まっていく。そしてプリントに書きつつグループ名と作品名を決めていく。

 信成と彩芽はどんどん話を進める。


「次に作品名はどうするか」

「作品名ってすぐには決まらなくない」

「だよね。これ先生に聞いてみない」

「そうだな。聞いてみよう」


 信成はすぐに先生の元に行った。


「先生、作品名について質問があります。すぐには作品名が決まらないのですがどうすれば良いですか?」

「あーそれもそうだな。じゃあ全体にも伝えるから取り敢えず席に戻ってくれ」

「分かりました」

「はい。今質問があったとおり作品名はすぐに決まらないと思うので仮で書いてください。最終的に発表と提出をする際に決まっているようにしてください」

「後、授業毎にそれぞれのグループは経過報告をしてください。書類形式でお願いします。提出はPDFでメールに添付するか印刷してホチキス留めでの形でお願いします。書き方は指定はないので必ず出すこと」


 先生は補足事項を話し、終わり次第それぞれは話し合いに戻る。龍馬と佐々木さんに信成は話を振り出す。


「2人はどんな作品名が良いと思う?」

「自分は曲名を使うのはどうだろう?音楽好きだし歌詞の内容解釈でストーリーが作りやすいと思う」

「私は、、、あまり思いつかないですが、曲名を使うのは有りだと思います」


 信成が話を振ってくれてよかった。あまり会話に入り込めなかったから少し不安になっていた。この感覚は慣れているけど正直克服したい。そう思いながらも話が進む。


「曲名か〜。確かに解釈がそれぞれあるし色々とアイデア出るから良いな」

「彩芽はどう思う?」

「良いんじゃない。私も賛成だよ」

「よし!じゃあ何の曲にする?」


 それぞれが考え出して発現しようとした時に急に佐々木先輩が発言をした。


「月と蛍が導く恋物語とかはどう?」


 急に佐々木さんが話し出したことに驚いたがその曲は彩芽が作曲したものだ。彩芽は先輩に曲を聞いてもらえていた事に対して嬉しさが顔に出ていた。それはそうだ、自分が作詞作曲したものが身近な人に聞いてもらえるのは嬉しいことだ。


「え!?先輩私の曲を聞いたことあるんですか?確かに、、、あの曲は切ないというか失恋がテーマになります。まぁ悪くはないけど恋愛するなら明るくハッピーエンドにしたいよ」

「だったらストーリーを変えつつ切ない部分を取り入れながらも何とか乗り越えてハッピーエンドにしていけば良いんじゃないか」

「龍馬、ナイスアイデア!それにしよう」

「龍馬は会話するのが下手だけどアイデアとか考えの発想力はあるから良いよな」

「私もその考えには賛成です。坂口君は発想力とか創造性があるのね」


 久しぶりに2人に褒められて嬉しかった。特に先輩である佐々木さんに褒めてもらえるのは嬉しかった。嬉しさを感じながらも話が進んだ。


「良し!じゃあ仮と書きながらもこの作品名にしていこう」

「後はグループ名だな」

「これマジで難しいよね」

「龍馬はなんかアイデアないか?」

「急に振られても、、、まぁ、、うん」


 急な振りがありつつも曲名から考えていく。夜明けは太陽が出て1日が始まる前のことだよな。後は蛍の光はオスとメスの交尾から始まるからなぁ。光をイメージするとして月のイメージが良いのかな。彩芽の歌詞にも夜明け前の月は書かれてるし。蛍は水辺に集まると言うこと。水辺は夜は夜明け前の表現は青く見えることがあるよな。無難にBlue moonlightとかかな。


「Blue moonlightはどうかな」

「なんかバンド名っぽいな」

「でも作品名のイメージを考えたのでしょ」


 佐々木先輩は龍馬に問いただす。


「そうですね。時間帯とか蛍の性質を考えてみた結果夜明け前の湖に映る月が青く光りながらもその周りを飛ぶ蛍たちの恋愛と考えていました。夜明けは月と湖で表して光を蛍の恋愛にしてみました」


 彩芽がこちらを向いて尋ねてきた。


「蛍の恋愛と光って関係があるんでしょ」

「そうそう蛍はオスとメス同士で光って交尾をするために合図を出す習性があるんだよ。だから恋愛と考えて良いかなって」

「やっぱそうだよね。信成や佐々木先輩は知ってました?」

「俺は知ってたぜ」

「私も知ってましたよ」


 彩芽はみんなが知っていることに少し驚きを出しながらも落ち着いて冷静に理解をする。


「そうなんだね。じゃあ納得だよ」

「俺も龍馬に賛成」

「私も坂口君に賛成です」


 グループワークはあまりして来なかったから正直自分の意見が採用されることに驚いている。でも心の中では嬉しくてしょうがなかった。信成はその間にプリントに必要事項を書き終えていた。


「よし!これで決まりだな。じゃあプリントに書いて提出してくるけど佐々木先輩は今日の予定はどんな感じですか」

「俺と龍馬と彩芽はこの後はいつも時間がありますが」

「私もこの授業後は何も予定はありませんよ」

「なら今日中にロケハンしませんか」

「ロケハンとは何ですか」


 佐々木先輩の疑問に龍馬は素早く返答した。


「映画やアニメなど多くの映像作品を作る際にイメージが必要になります。イメージを作るために自分で事前に調べてここの場所が良さそうみたいな撮影場所に行ってどこでどんなシーンを撮るか、どんな構図がいいのかなどを考えるために行うことです」


 龍馬は丁寧に説明をした。


「なるほど。確かに必要な事ですね。では大学を巡る感じですかね?」

「そうですね。後は巡りつつ写真や動画で記録して紙にどんな絵にするかの簡単な絵やメモを記録していきます」

「さすが龍馬は物知りだな」

「本当だよ!龍馬の物知りに勝てる人はいないでしょ」

「やめてよ。大袈裟に言わないでよ」

「坂口君の説明は分かりやすくて助かります」

「佐々木先輩もあまり大袈裟に言わないでください」

「別に大袈裟に言ってないですよ。でも本当に分かりやすかったから言ったのよ」


 こんな雰囲気で映画を作れることに心の自分は少し楽しんでいる。もちろんいつもの3人組と一緒に入れるから作り上げられる雰囲気でもあり、佐々木先輩も1人が好きといいながらグループの会話を楽しんでいるからもっと良い雰囲気になっているのだろうと自分は感じていた。


「じゃあこれ提出してロケハンに行きますと伝えるからみんな荷物まとめて」


 荷物をまとめている時に彩芽がみんなに尋ねた。


「行く前に先生になんで私たち3人が一緒になったのか聞いてみない」

「それな、確かに聞きたいよな」

「じゃあそれを含めて聞いていくか」

「うん。そうしよう」


 そしてE班は先生の元に向かって行く。


























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