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プロローグ


別次元世界に『ミティスナム王国』という王国があった。


そこには強大な神秘の力を秘めた13個の『シエルクリスタル』があり、その恩恵を受け、王国の人々は豊かで平和な暮らしを送っていた。


しかし、ある時それを乱す者たちが現れる。


シエルクリスタルの力を利用し、全次元世界を支配しようと企む闇の組織『ベルアン』。


彼らはシエルクリスタルを手に入れるため、ミスティナム王国を宣戦布告もなく襲った。


シエルクリスタルに選ばれし2人の戦士が立ち向かうも強大な闇の前に敗れ、ミティスナム王国は闇へ沈んだ。


希望が失われたと思われたその時、13個のシエルクリスタルが神々しい光を放った。


そして、ベルアンから逃れるように別次元世界へ通じる裂け目を生み出し、その中へ姿を消した。


シエルクリスタルが辿り着いた先は、地球という惑星だった。


力を使い果たしたシエルクリスタルは、まるで流れ星のように北海道のとある地域に降り注いだ。


ベルアンはシエルクリスタルを求め、地球に魔の手を伸ばすのであった。



現実世界。


歩道や草原に微かに雪が残る春の北海道。


春と言うにはまだ寒い気温と風景が広がっている。


空港の手荷物受取所から髪の毛と同色の赤茶色のキャリーケースを引いた少女が出てくる。


少女の名前は、天咲千菜あまさきちな


親の事情で東京から引っ越してきたばかりだ。


ここは北海道の東部、太平洋側に位置し、港町として知られている街だ。


2つの国立公園を有し、国内に限らず、外国人観光客も多く集まる。


また、霧の発生率が高いことから『霧の町』と題した祭りが開催され、賑わいを見せる。


しかし、近年は少子高齢化や若年層の流出による社会減少などが重なり、地域の活気は年々失われつつある。


「これからバスで移動するんだよね?」


「えぇ、ここから30分くらいで新しい家に着くわ」


そう答えた千菜の母親、天咲那菜あまさきななはスマホでバスの時刻表を確認する。


千菜の姉と言われても信じてしまうくらいの若々しい容姿とモデル並みのスタイルだ。


「北海道って美味しいものとかたくさんあるから楽しみ!」


自分が強大な闇と戦う運命が待ち受けているなど知る由もない千菜は、これから始まる新生活に胸を躍らせる。

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