ツンデレ
「じゃあこれで全員テストが終わったことになるんだ。」
「はい、そうですね…バイオレット様はどうか分かりませんが…。」
そう言って2人でヒロインの机を見つめる。
「ねぇ…そういえばバイオレット様が目覚めたのは知ってる?」
「はい、先生が無事に目を覚ました、と説明してたので。」
「じゃあ…事情聴取も受けてるのかな…?」
「…多分そうだと思います。まだ病み上がりということで自宅での聴取かと思いますが…。」
「…そっか…。」
そうやって2人でヒロインの話をしていると続々と生徒が登校してくる。セイロンは「人も増えてきましたし、また何か分かりましたらご報告します!」と言って自分の教室に帰って行った。
少しするとブルーマリーも登校してきた。
「姉様、無事試験を終えられたみたいですね!」
僕の呼びかけに彼女はフンッという表情で「当たり前ですわ!」と答える。
「あの事件がなければすんなり終わっていたのに、あの女のせいでこんなに遅くなってしまいましたわ。」と不満げに漏らす。
まぁ…そうなんだけどね…と僕が反応に困っていると「そっ…それで…トルー貴方、体調は大丈夫なのかしら?」と突然話しかけられる。
彼女の予想外の言葉に一瞬、反応が遅れ「えっ?」と返すと「だから!もう学校に来ても大丈夫なのかを聞いているのです!」と怒られた。
彼女の鬼気迫る表情に僕は「あぁ!はい~!」と慌てて答える。すると彼女は僕の手に何かを握らせると足早に自分の席に戻って行く。
僕は彼女が離れたあと、手の中身を確認するとそれは僕の大好きな黄色の包み紙に入った小さなチョコレートだった。
そして1日の授業も終わり僕は帰宅準備をしていた。
「(この後、どうしようかなぁ…ヒロインの家に行ったところで邪険にされるだけだし、何の役にも立たないからなぁ。大人しく家に帰ってサンバックの報告を待とうか…。)」
そう結論付けた僕はイモーテルにカバンを手渡し、馬車に乗り込むとそのまま眠りについた。




