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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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「あっ…あのルート様!バイオレット様は何もしてませんよ⁉︎僕が倒れたのはタイミングが悪かっただけで…。」


僕が弁解するもルート様は厳しい顔のまま、こう続ける。


「トルー…君が優しいのは十分知っているけど、今回ばかりはそうも言ってられないんだ。先日の彼女が倒れた事件はバイオレット自ら工作したのではないか、と疑われている…。詳しくはまだ言えないけど、今後彼女を尋問し事情を聴かなければならないんだ。」


ヒロイン…やっぱりバレてる…!


「彼女に関しては新入生歓迎会のこともあるからね、今回の聴取は甘くは無いよ。」


そう妖しく笑うと彼は立ち上がり、ドアに向かって歩き出す。そして廊下に出る直前、こちらを振り返ると「あっそうだトルー、お見舞いにトルーの好きなチョコレートを持ってきたよ、食べれそうなら食べてね。」とウィンクと共に去っていった。





…このままヒロインがシラを切るとしても何かしらの罰は与えられるだろう。僕のことはともかく、影を使った自作自演は証拠も揃っており逃れられない。それにヒロインが自作自演の理由を"自分が怪我をして皆に心配して欲しかった"という言い訳をしたとして、それを可愛い理由だな、と思ってくれる人が何人いるだろう…。


僕はどうやっても良い方向に解決しないことに頭を抱えた。


それにルート様は僕の目眩のことだって疑ってる…正直、あの目眩は僕にも分からないし、ヒロインだって何も言ってなかった…。理由を聞こうにも、何故バイオレット様と話した時に目眩が起きたのですか?なんてあからさまに聞けないし。もしかしたら尋問されてる時に運良く聴けるかな、ぐらいだろう。


僕はその後、イモーテルに甲斐甲斐しくお世話をされながら一日を過ごした。








次の日、僕が学校に顔を出すと僕の席にセイロンが座っていた。


「トルー様!」


セイロンは僕の姿を見つけると素早く駆けて来る。


「セイロン、おはよう。」


「おはようございます…!て、そうじゃなくて!なんで僕の忠告を無視したんですかぁ!」


彼は怒ってるような心配してるような表情で尋ねてくる。


「ゴメンね、心配かけて。それにセイロンが僕を心配してくれたみたいに僕はバイオレット様が心配だったんだよ。」と僕が苦笑いで応えると「えっ…それはバイオレット様のことをお好きだからですか…?」と疑われた。

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