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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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「バイオレット様が倒れられた後、影を作っていた先生は慌ててその影を消しました。その時、自分のものとは違う魔力を微かに感じたらしいのです。その時はバイオレット様を保健室に連れて行くことを優先したので事実確認などする時間がなかったのですが、やっと今日、証拠も揃い後はバイオレット様の証言だけとなったんです。」


「…えっ、ちょっと待って、なんでそれでバイオレット様が自らやったってことになるの?少しの魔力が残っていただけなら魔法を繰り出していたんだから当たり前じゃない?」


「違います、トルー様。魔力は魔法を繰り出した時に使われるものであって残るものではありません。よって、その魔力が残るということは何かを動かしたり運んだりする時だけなのです。それが影に残っていた、意味をお分かりですか?影を生成した先生の魔力を感じるのは当たり前です。ですが、そこに他の魔力を感じるということは誰かが意図的にその影を乗っ取って操作したということなのです。」


「…ッ!でも、その操作に使われた魔力がなんでバイオレット様のものだとわかるの?魔力に違いなんてないんじゃ…?」


そこで僕はハッとする。セイロンは僕の表情に気付いたのか「お気付きですか?」と告げる。


「相手の魔力を乗っ取って操作する、この力は光魔法を使う人にしか出来ない行為です。それもかなり上位の。」


そうだ、光魔法は攻撃力が弱い代わりに防御力とサポート力が高い。相手の攻撃を防いだり特定の相手の魔力を増幅させたり出来る。だから魔力操作が得意なのだ。


「この学校で魔力操作が出来るのはごく僅か。その日、ルート先生はご出勤されていませんでしたのでそれが出来るのはただ1人、バイオレット様だけなのです。」


えっ…じゃあ本当にヒロインが…?やっぱりこれも好感度の為の自作自演…?


「トルー様の優しさも分かりますが、今はバイオレット様には近づかない方がいいと思います。何の目的であんなことをしたのか分かりませんが、バイオレット様には前科があります…今回のことでどんな処分になるか…。」


それはヤバイ!ヒロインが退学なんてなったらルート様を助ける人がいなくなる…!なんとしても防がなくては…!


「それなら余計、僕が行かないと!」


僕はセイロンの反対を押し切って駆け出した。

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