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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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治癒

ヒロインは影を相手に的確なダメージを与えていく。


これなら僕と同じくらいのスピードで終わるかも…。


と思ったその時、影がヒロインに攻撃を繰り出した。彼女は突然のことに避けきれず「キャー!」と叫びながら崩れ落ちる。


その場が騒然となる中、いち早く先生達が駆け付け1人の先生がヒロインを抱き上げた。そして保健室へ駆けていく。僕はその光景を目で追いながら驚きを隠せないでいた。


そして残った2人の先生はこの状況をどうにかするべく僕達には教室への待機と事態が収拾するまでこのことを黙っておくようにと指示をした。


教室へ戻った僕達は待機とはいえ、先程の光景に皆、動揺しておりコソコソと話し合いが始まる。


何故あんなことが起きたのかー…先生の説明もそうだったが、サンバックでさえ始めの試験は影は攻撃しないと言っていた。それならこの試験は例年通り行われており、ヒロインが実戦をするまで誰1人、影が攻撃することはなかった。


じゃあ誰かが意図的にヒロインを狙ったのか…。


ゲームのシナリオではどうだったかは覚えていないが、ヒロインにだけこの事態が起きたのなら納得出来る。しかし、彼女が攻撃されることでストーリーにどんな展開が起きるのか…。


僕は疑問を残しつつ放課後、保健室を訪ねてみることにした。








放課後ー。




僕は荷物を纏めると真っ先に保健室へと向かう。


しかし、保健室に近付くと1番近い扉に予防線の様なテープが張ってあった。


「(これ以上、行っちゃいけないってことだよね…?)」


僕は扉の前で右往左往してしまう。


「(保健室の扉は見えるのに入れないなんて~!)」と残念に思っていると偶然にも保健室の扉が開き、中から見知った顔で出てきた。


「兄様!」


僕は思わず声を掛ける。

ガラス越しなので聞こえるかどうか分からなかったが、それよりも中の様子が知りたい。


こちらを向いたサンバックは僕に気付くと驚いた顔で扉を開けてくれた。


「トルー?どうしてココに?」


「兄様こそ、どうして…?」


ルート様の授業がある日に共に来ているのは知っていたが、今日はその日ではない。


「ああ…俺はルート様の付添いだ。授業中に女生徒が怪我をしたと聞いてルート様が呼ばれたんだ。」


「えっ…あっ…そうだね。中の様子はどう?」


この時点で少し疑問に思う、ただ怪我をしただけならルート様が呼ばれるまでもなく、他の光魔法の先生が治してしまうからだ。


「…外傷は全て治したんだが、何故か目覚めないらしい…原因が分からなくて上位魔法が使えるルート様が呼ばれたんだ。」


「…そう…なんだ。」


…成る程。これでルート様がヒロインを目覚めさせる流れで好感度が上がるんだ。

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