オール様の告白
「あの…それで…急に僕がこんなこと言い出してトルー君の方が戸惑ったよね…?ゴメンね、本当はこの気持ちを君に言うつもりは無かったんだ…。だってトルー君が僕のことをそういう目で見てないことはわかってたから。…僕、最初はトルー君とこうやって2人で会うだけで満足してた、僕が卒業するまでにトルー君が誰とも噂にならなかったら、この気持ちは告げずに卒業しようって。でも、最近トルー君がランドモス様やマリタイム様と仲が良いっていう噂を聞いてどうしても自分の気持ちを伝えなくっちゃって思ったんだ。だって、もしかしたらトルー君が他の誰かと付き合うかもしれないってことでしょう?そんなの僕、見てられない…。ゴメン…ゴメンね、トルー君…。こんなこと言ったら困るの分かってたけど、どうしても我慢できなかった…!」
オール様は言いながらとうとう泣き出してしまう。僕は思わずその小さな身体を抱き締めたい衝動に駆られた。ただ、僕がこのまま軽はずみにオール様を抱き締めると彼に大きな誤解を生むのは分かっている。しかし目の前で泣いている彼を放ってはおけなかった。
僕は彼に近付くとその身体をそっと抱き締める。
「うっ…うぅ…トルー…くん…ゴメンね。」
そう言ってオール様は僕の身体に抱きつく。
「いいえ、謝らないで下さい。オール様が落ち着くまでこのままでいますから。」
僕は彼が泣き止むまでその身体を抱き締め続けた。
しばらくして落ち着いた彼は「トルー君…ありがとう。」と僕の身体から離れた。「落ち着きましたか?」と伺うと目を赤くしたオール様と目が合う。彼はその顔を見られたくないのか「んっ…大丈夫。」と顔を俯かせた。
僕は彼のその行動が無性に可愛く見え、思わず彼の顎に手を掛けると上を向かせる。彼は今までにない僕の行動に驚きながらも為すがままにこちらを見つめてきた。
「オール様の目…赤くなっちゃいましたね。すみません、僕のせいで…。でもオール様…可愛いです。」
と彼の目元を指の腹で撫でる。
「あっ…トルー…くん。恥ずかしい…。」
「恥ずかしくなんてないですよ、僕が原因ですから僕のせいにしてください。」
「んっ…ダメ…。これ以上優しくされたら期待しちゃうから…。」
何故だろう…何故かオール様を見ているといじめたくなる…。




