演技
僕はブルーマリーが父様の部屋に入って行くのを確認し、近くで待機する。扉に耳をそばだてないのは中の音が聞こえないのはわかっているからだ。
20分程するとブルーマリーが中から出てきた。表情は暗い。やはりヒロインのことで悩んでいるのだろうか。
僕はブルーマリーと入れ違いで父様の部屋に入る。
「父様。」
「おお、トルーか。どうした?」
父様は机に座り悩ましげな顔をしていた。
「姉様のことなんですが…。」
「ああ、トルー…なにかブルーマリーのことを知っているかい?あんなに落ち込んだブルーマリーは久しぶりだ…。」
心なしか父様まで哀しそうだ。
「…多分、クラスの1人と上手くいってないからかと…。」
「喧嘩でもしてるのかい?」
「いえ…喧嘩というかルート様関係で…。」
僕のその言葉に何か察した父様はハァ…と溜息を吐き、突然「トルー…お前から見てブルーマリーはキツイ性格だと思うかい?」と聞いてきた。
えっ…そりゃキツイと思うけど…僕は思った通りを口にする。
「…ええ…ハッキリ言って姉様はいつもピリピリしてるように思います。」
「やはりそうか…しかしな…。」
その後、父様から告げられる真実に僕は目を見開いた。
父様の話では本当の彼女はとても優しく、自分に自信がないこと。周りにキツく当たるのは弱い自分を隠しているからだという。
「しっ…しかし姉様は僕にさえキツく当たりますが…!」
「それはお前がルート様と仲が良いからだ。自分は無闇にルート様にお会いできないがお前は違うだろう?だから自分のことを弱い人間だと悟られたくないんだ。」
「ですが!何故そんなことを…?」
「ルート様に嫁ぎたいからに決まっているだろう?ルート様に嫁ぎ、王族になるということは並大抵の精神力ではやっていけない。だから普段から気を張って強く生きているフリをしているのだ。もし自分が弱い人間だとバレてしまったら王族の中でもやっていけないとブルーマリーは思っている。ブルーマリーは父にあまり泣き言を言わないが母には良く相談しているらしい。それに時には涙しているともジャスミンから聞いた…。」
えっ…そうなの…?ブルーマリーってそんな優しい子だったなんて…。てか普段のブルーマリーって演技なの?




