表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の弟  作者: ミイ
68/148

思考

「あの!オール様、分からないところがあるのですが…!」


僕が後ろから声を掛けるとオール様はホッとしたように、しかしヒロインはなんで邪魔するのよ!?という表情を隠しもせず、こちらを見つめてくる。


一瞬怯んでしまったがオール様を助けるには仕方ない。


「バイオレット様…申し訳ありませんが、元々オール様と僕は一緒に勉強する予定だったんです。なので、もしお話が長くなるようでしたら明日ごゆっくりお話して頂けませんか?」


その言葉に彼女は不満気な声を上げたが少し考えた後「なら、仕方ありませんわね。」と図書館を出て行った。


彼女にしては呆気ない幕引きでだったが、居なくなったことに2人で安堵する。


「…トルー君、ありがとう。僕、やっぱりバイオレット様が苦手だな…。」


「…やっぱりそうでしたか…そんな気はしてました。」


「うん…恋愛に積極的な女性ってキラキラしてて魅力的ではあるんだけど、彼女はどっちかっていうとギラギラしてるから…。」


「あぁ~…。」と僕は納得し、2人して苦笑する。


まぁでも仕方ないだろう…彼女にとっては好感度を上げなければ物語に終わりはない。それに僕はこのゲームをプレイしていたわけではないので、この3年間でヒロインが誰とも結ばれなかった場合、どうなるか分からない。もしかしたら僕が知らないだけでヒロインが誰かと結ばれないといけないルールがあるのかもしれない。まぁ乙ゲーにそんなルールがあったら大変だとは思うけど。


あとは友情エンド。姉さんはそれについては何も言っていなかったので、そういうものがあったのかさえ分からない。姉さんは絶対に1人ずつ攻略していくタイプだったので初めから友情エンドは無いとしていたのか…。


はぁ~…考え出したらキリが無い。


僕は分からなくなったら途中で考えるのをやめるようにしている。だって、考えたところで僕は物語の大軸は変えられない。勝手かと思うかもしれないが、僕としては最終的にヒロインがルート様とブルーマリーの邪魔をしなければそれでいいと思っている。


しかし、前世は姉の、今世はブルーマリーのお世話ですっかり身についてしまった僕の世話焼きな性格は攻略対象の好感度を大幅に上げることになってもほっとくことが出来ない。正直、あの2人の告白は予想外の出来事ではあったが、不思議と嫌悪感はない。きっと、それはこの世界の美形率が高すぎるのと同性ということを抜きにしても彼らが魅力的だったからだ。


そもそも乙ゲーの世界でBLが発生してもいいのかとも思うが、乙ゲー云々以上にこの世界では同性婚は有りなのだ。


本音でいえば女性と恋愛してみたいのだが、今のところ僕にはそんな気はないし、女性がこちらを振り返ることもない。それなら、新たに女性に目を向けるのではなく自分に好意を寄せてくれる人のことを真剣に考えてから行動に移すのも遅くはないのかなと思う。まだ後1年ある、と考えるのか後1年しかない、と考えるのかは微妙なところだが、本当にルート様の婚約破棄事件が無くなったらゆっくり考えようと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ