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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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宝箱の行方

一方、新入生歓迎会から一切姿を見せていないブルーマリーだったが、流石に僕が怪我をしたのを聞きつけたのか夕食時には声を掛けてきた。僕はそれに「もう、大丈夫だよ。」と答え、会話は終わったが、事情を知らなかった両親には質問責めにあった。


そして、やっとのことで両親からの拘束を解かれた僕は部屋に戻って考える。


「(そういえば宝箱を見つけたグループって何処なんだろう…?)」


姉さんから詳しく内容を聞いてなかった僕はきっとヒロインのグループが取ったのかな、と思っていた。


しかし、休み明けの今日、学校に行ってみると宝箱を獲得したグループはヒロインのところではないという。何故なら僕と一緒に落ちたシトロのせいでヒロインのグループも棄権となったからだ。


僕は正解を知っていたわけではないが、てっきりヒロインのグループだと思っていたので思わずニアに尋ねてみた。


「…バイオレット様のところが宝箱を見つけたんじゃないんですか?」


するとヒロインにキッと睨まれた。


その態度に僕が驚いて眼を見張ると、途端にヒロインは取り繕う様に笑い「ええ、そうなのです。」と告げる。


「それよりバルサム様、お怪我をされたと聞きましたが大丈夫だったのですか?」


僕は先程のヒロインの表情は見間違いなのかと思いつつも「えっ…ああ、はい。光魔法の方に治して頂いたので。」と答える。


「…そうですか、大事ではなくて良かったですね…。正直あの時、シトロ様が狼に驚いて急に走り出した時には驚きました…。」


「えっ…?

(シトロ、そんなことで叫んでたの!?)」


「…ご存知なかったのですか?シトロ様は大の犬嫌いだそうで、狼を犬と間違われて逃げ出したそうなのです…。私達もまさか野生の狼と出くわすと思っていなかったので対応が遅れました。」


「そっ…そうだったんですね。僕もいきなりのことだったので、上手く対応しきれずそのまま落ちてしまいました…そうか…犬が…。

(犬が怖くて僕、死にかけるとか災難すぎる…。)」


僕達があの日の出来事を話していると、突然先生が教室に入ってくるなり、ヒロインの名前を呼ぶ。ヒロインは何故呼ばれたか分かっていないようだったが、大人しくついて行った。僕はそれを見ながらついて行くべきか迷ったが、もうすぐ授業も始まってしまうし、席を立てない。仕方なく、その後ろ姿を見送った。





それからヒロインは午前の授業が終わっても戻ってこなかった。

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