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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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救出

それからは大変だった。


救護班と共に現れたマリタイムに僕が怪我しているのがばれ、お姫様抱っこされそうになるわ、それを「私のせいで怪我をしたので!」と言って聞かないシトロが自分が僕を抱き上げるのが賢明だ、と言い張ったり、心配で降りてきたセイロンとビリーにはそれを驚いた顔で見られるわで居た堪れない思いをした。


結局、僕は救護班が持ってきた担架で運ばれることになったのだが、僕の記憶が正しければ僕が安心感から担架の上で気を失うまで側にはマリタイムがいたように思う。




それから僕が眼を覚ますと、見知らぬ部屋で横たわっていた。


「(ここは…?)」と思いながら上体を起こす。その時「開けるよ?」と声がかかり、僕が寝ていたベッドのカーテンが引かれる。


そこには無駄に色気のある白衣を着た男性が立っていた。


僕は知らない男性の登場に目をパチクリさせていると男性が「ココは保健室だよ、僕は保険医のフラン。君はトルー・バルサム君、そうでしょう?」と告げる。


それに「…はい。」と答えるとフラン先生は僕が寝ている間のことを教えてくれた。





結果的に新入生歓迎会は僕とシトロが離脱した結果、両グループが棄権となってしまった。


何故ならこの歓迎会はグループ全員で行う、という意義の元、行なっているため途中でメンバーがグループを抜けたり離れたりするのは棄権対象となる。だから今回の僕のような出来事があったとしてもグループは途中復帰は出来ず、強制的に学校待機となるそうだ。


それを聞いた僕は不可抗力とはいえ皆に悪いことをしたなと反省をする。僕はともかくグループの中には宝を手に入れたいと思う人もいたはずだからだ。


そして今回の歓迎会の宝というのは獲得グループ全員に送られる"食堂1ヶ月分無料チケット"だったそうだ。


僕自身も確かに欲しかったな、と思いながら「そうですか…。」と溜息を吐く。


するとフラン先生は「君のいたグループは皆、名のある貴族様だ。食堂1ヶ月分に惜しむ人はいないよ。」と気を遣ってくれたが、僕としてはそれ以上に純粋に宝探しを楽しんでいた人達を途中で棄権させてしまったことに罪悪感があり落ち込んでいた。


「(復帰したら謝ろう…。)」


そんなことを考えているとコンコンッと保健室の扉がノックされる。

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