手掛かり
「わざわざ、"みどり"を強調する理由は何でしょうか?」とアンジェリカ。
「みどり溢れ涼やかに流れる清流とあるが、普通に考えると"森の中にある川"と想像できるが、そのままの意味ではないと言うことか…。」とビリー。
「草木では無いみどりと言えば…?」とセイロンが呟く。
「うーん…植物とか動物とか?でも動物で緑って…カエル!?」とイラン。
「…カエルが溢れてたら怖いけど、それだけ水が澄んでるって言いたいのかな?」とマリタイムも悩んでいる。
なかなかそれらしい回答は得られず途方に暮れる。
するとイランが「とりあえず、川のある所に行ってみませんか!?そこが目的地じゃなくても行けば何かわかるかもしれませんよ。」と告げる。
その意見に皆も賛同し、取り敢えずこの場所から移動することにした。
「じゃあ、皆で川について意見を出し合おう。この学校の敷地内に川があるのを知っている人は?」というマリタイムの問いにアンジェリカ以外の人が首を振る。
「アンジェリカは知っているの?」
「はい、この北の森ではないところに川があるのを知っています。少し戻ることになりますが、宜しいですか?」
彼女は皆に気を遣ってか、そんなことを聞いてくる。
「勿論!川があるのを知ってるのはアンジェリカだけだからね、是非お願いするよ。皆もいいよね?」
その質問に皆が頷く。
「では、恐れながら次は私がご案内致します。」とアンジェリカを先頭に歩き出した。
アンジェリカは学校に戻る為の道を進んで行き、途中で道を変える。また違う森に入ることになり、今度は僕が口を開いた。
「…アンジェリカ様はこの場所に詳しいのですか?」
その質問にアンジェリカは困った様に笑う。
「詳しいというわけではないのですが、1人で魔法の練習をする為に何度かこちらの森には入ったことがあります。こちらの森は北の森に比べて動物も沢山いますし、穏やかな雰囲気もあります。私にとって居心地が良い場所なんです。」
「…そうなんですね…動物もいるんですか?」
「ええ、ウサギやキツネなどは見かけたことがあります。」
「いいですね、僕も見たくなりました。」
「私ももう一度見たいものです。しかし、動物は警戒心もありますので、なかなか見れるのは貴重なんですよ。」
とたわいも無い話をしながら進んでいった。
それから少ししてやっと川が見えてくる。僕達は川を眼下に近付いていった。
すると森の方から「ギャー!!!」という叫び声と共に違うグループであるシトロが飛び出してきた。




