表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の弟  作者: ミイ
45/148

スタート

すると、すかさずセイロンが「トルー様!マリタイム様とお知り合いなんですか!?」と聞いてくる。


「(なんて答えればいいんだろう…?)」と思いながら「…いや、知り合いという程では無いと思うんだけど…。」と言葉を濁す。


「でも!食堂でお昼を一緒にされてたって噂が立ってましたよ!」


「(おぉ…それ知ってたのか…さすがサポートキャラ…。)

確かに委員会では一緒にはなったけど、それ以外で接点って無かったんだよ。たまたまお昼だって話しかけられただけで僕にもよくわからないし…。さっきもああやって声を掛けられた意味も分からない…。」


僕自身も本当に訳が分からないという表情をしていたのかセイロンも「そうですか…。」と納得する。この話を聞いていた他2人も納得してくれたようだった。


それから僕は生徒会の挨拶が始まるまでヒロインとブルーマリーを探す。


ヒロインのグループは直ぐに見つかった。何故ならそこだけ空気が違ったからだ。1列に並んではいるものの、隣のグループと少し距離が開いている。


「(遠巻きにされてるな…。)」


ヒロインは攻略対象とペアになり嬉しそうに話し掛けている。しかし、ツンデレの彼はプイッと横を向いてヒロインの言葉に耳を傾けていない。「(流石ツンデレ…!)」と僕もその様子を盗み見る。暫くすると、やっとヒロインは諦めて上級生に話しかけていた。その矛先は言わずもがなオール様なのだが…。


「(オール様…ご愁傷様です…。)」と心の中で手を合わせる。その様子をジッと見つめるシトロの姿があった。


次にブルーマリーだが、不機嫌さは相変わらず…。周りも不機嫌なブルーマリーに気を遣っているようだ。「(我が姉ながら申し訳ない…。)」と思いながらこちらにも手を合わせる。


僕がそうやって2人を観察していると「ほら、挨拶が始まりますよ。」とアンジェリカに言われた。壇上を見ると生徒会長チェストが立っている。


「生徒諸君、今から新入生歓迎会を行う。この行事は上級生と下級生が仲良くなるキッカケに作られたものだ。だから決して上級生は下級生を蔑ろにしないこと、下級生は上級生を敬うことが大切だ。集団行動を乱さず、勝手な行動は取らないことを肝に銘じてくれ。そして宝の在り処についてだが、我々生徒会も分からないように処置されている。この行事を行うにあたり、内容については知ってはいるが宝の在り処については最後まで知らされていない。よって、生徒会のメンバーがグループにいるからといって有利になるわけではない。では、今から1つ目の問題が書かれた用紙を配る。配り終わったらこちらが合図をするまで開封しないように。では、始めてくれ。」


チェストの合図で封筒が各グループに1枚配られる。


「行き渡ったようだな。では、今から開封してグループで話し合って次の問題を進めてくれ。因みに宝は3つ用意されている。いち早く宝を見つけ出せる様、精進してくれ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ