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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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ペアの相手

そして部屋まで送ってもらうと彼に下がる様に指示をし、僕はソファーに腰掛ける。


僕は一気に色んなことが起きたことに戸惑いながらも頭を整理した。


「(オール様…サンバック…イモーテル…。乙女ゲームなのにヒロイン以外のところでこんな展開になるなんて…。僕、贅沢なことにこの時点で逆ハーみたいになってるよね!?でも僕の性癖はいたってノーマルなんだよなぁ…。告白された時はそんなこと考える余裕が無くて取り敢えず返事を待ってもらったけど…皆、良い人過ぎて申し訳ない…。正直、あと1年で僕の考え方が変わるのかよく分からないけど…真剣に言ってきてくれたんだからコッチも真剣に返さなきゃね。)」


僕はそう思いながら今日終わらせなければならない宿題に手を付けた。






それからあっという間に新入生歓迎会前日を迎える。


あのブルーマリーとヒロインの事件から2週間程経ったが相変わらず2人の仲は険悪で、特に仲良くなる気配はない。


「(そりゃそうか…ヒロインはブルーマリーのことを"どうせルート様に婚約破棄される悪役令嬢"としか思ってないし、ブルーマリーにとってもヒロインはルート様を狙うライバルってだけなんだから…。)」


僕は不安を抱えたままヒロインと共に職員室へ向かう。


今日は前日ということもあって新入生歓迎会のペアが発表される日でもある。


先生からリストを貰い、目を通すとやはりヒロインは隣のクラスの攻略対象であるシトロ・ネラとペアになっており、ヒロインは嬉しさを噛み締めながら笑みを零していた。


僕はそれを見ながら自分のペアを改めて見る。僕の名前の横にはセイロンという名があった。


「(…誰?)」と思っているとヒロインが「バルサム様のペアの方はどなたですか?」と聞いて来た。


「セイロンという人みたいです。」と応えるとヒロインがピクッと反応する。「知ってる方ですか?」と聞くと「えっ…ええ。」と答えを濁したので僕はそれ以上聞けず、よくわからないまま職員室を後にした。


教室では自分のペアが誰なのか皆ワクワクしているようで僕達がそのリストを貼るとこぞって見に来る。反応は三者三様で僕みたいに「誰?」と思っている人も少なからずいるようだ。


「では、皆さん自分が誰とペアか確認出来ましたね。明日の新入生歓迎会ではその人と1日共にしますので是非、親交を深めて下さい。」


とヒロインは言って会議を締めくくった。







その日の放課後、僕はヒロインの反応が気になり、隣のクラスのセイロンがどんな人か確認しに行った。


入り口でセイロンを呼んでもらい初めて対峙する。


僕のセイロンに対する第一印象は地味。茶髪で黒目、僕より10cm程背の高いところを除けば特に突出することは無い男。しかし、やたらとテンションの高い奴だった。

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