表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の弟  作者: ミイ
142/148

報告

サンバックは門番に顔を見せ、馬車ごと中へ通らせてもらう。馬車を降りた僕達は仕事中だというルート様を待って挨拶することにした。


「なんか緊張してきた…。」


「まぁ普通は入籍したら1番に親に言うものだからな。しかし、さっき届けを提出したばかりだし、あまり実感ないんじゃないか?」


「ううん、そんなことないよ。これでも沢山悩んで決めたんだから。兄様との将来のことだって…。」


「そうか、それでアレか?」


そう言ってサンバックはニヤニヤと笑っている。先程の僕の子供が欲しい発言を思い出したのだろう。


「アレは…!追々だよ、今すぐじゃない。それに…いや、なんでもない!」


僕は顔を赤くしながら否定すると身体ごとソッポを向いた。


サンバックのアレがすぐに挿入るとは思えない、など言えたもんじゃない…。


「なんだ?気になるじゃないか、はっきり言ってくれ。」


そう笑いながら僕の腰を掴む彼は僕の身体を自分の身体にくっ付けようとしてくる。恥ずかしさからやめてよ~と言いながらやり取りを繰り返していると「何、2人でいちゃついてるの~?」といつの間にか入室していたルート様に不機嫌そうに声を掛けられた。


僕は慌ててサンバックを押しやるとサッと立ち上がりルート様に挨拶をする。


「ルート様!お忙しいのにわざわざすみません!」


すると彼は笑顔で「いいよ。」と言ってくれた。しかしサンバックには鋭い視線を向ける。


「誰かさんの頼みなら後回しにするけど、緊急なんて言うし、トルーまで来てるってなったら行くしかないよね…それでわざわざ私を呼び出すって一体、何なのさ?」


ルート様の問いにさっきまでの表情が嘘のように真面目な顔つきになると彼は口を開いた。


「本日、私サンバック・バルサムはここにいるトルー・バルサムと結婚したことをお伝えしに参りました。そして今後はルート様の護衛を引退し、家業を継ぐことを許可して頂きたく参りました。ルート様、相談もなく勝手に事を進めてしまったことをお許しください。トルーのことを想うと急いで婚姻届を提出しなければならなかったのです…。」


サンバックの答えに今度はルート様が真面目な顔をする。


「…トルーはちゃんと了承してるの?」


「はい、共に教会へ行って参りました。」


「そう…結婚はお互いの気持ちがあってこそだからね、相手も了承してるなら喜ばしいことじゃないか。2人ともおめでとう。あと、護衛のことだけど引き継ぎをしっかりやってから引退してね、手抜きは駄目だから。」


「はい、抜け目のない様に行います。」


「うん、わかった。じゃあこれで難しい話は終わり。」


ルート様はそう言うと僕の方に目線を向ける。


「トルー、やっと決めたんだね。」


「はい、ルート様。アドバイスありがとうございます。」


「ううん、私は何も。決めたのは全部トルーだよ、今後は自分の発言と行動に気をつけてね。」


「はい、ありがとうございます。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ