イモーテルの性癖?
ある程度、学内見学が終わり教室に戻ってきた。
僕は隣の席のニアに話し掛けるべきか迷っていたが、少しぐらいお近付きにならないとストーリーに介入できない事から話し掛けることにする。
「あの…バイオレット…様?隣の席ということで宜しくお願いします。」
と僕が話し掛けるとニアはこちらを向き「ええ、宜しくお願い致します。」と和かに応えるだけで、それ以上何も言わなかった。
「(あれ…?ヒロインって愛想が良い設定じゃなかったっけ?)」
と疑問に思う。
しかし、それ以上話し掛けることも出来ず、担任の挨拶と共に今日は終了した。
帰りは行きと同じ様にブルーマリーと共に帰宅する。玄関にはイモーテルが僕達を出迎えていた。
家に着くと両親が部屋に戻ったのを見計らって、ブルーマリーにこんな事を言われる。
「いい、トルー?朝も言いましたが学校では極力私に話しかけない事、それに学校への行き帰りも馬車を変えることにするわ。勿論、文句は無いわね?」
「…はい、姉様。」
と大人しく返事をすると部屋へと戻る。
僕が部屋に入ると早速イモーテルがお茶を淹れてくれた。
「トルー様…ブルーマリー様のこと…あのままで良ろしいのですか?」
と心配そうに聞いてくる。
「うーん…僕に対してあの態度なら許せるけど、他の人にしてたら気付く範囲で注意しようと思う…姉様、年々性格がキツくなっているからなぁ…。僕の言うこと聞いてくれないかも…。」
「…トルー様はこんなに素直でお優しいのに…。何故あんな性格がキツくなってしまわれたんでしょうか…?」
「多分…父様も母様も姉様には特別甘いしね、それに姉様はある意味、世渡り上手だよ。きちんと使い分けてるし。」
「しかし…!トルー様に対してあの態度は私は許せません!こんな可愛らしいトルー様に対してあの発言など…!あの雌豚め…。」
「(なんか最後、ボソッと聞こえたなぁ…。まぁ聞いてないフリしとこ…。)
ありがとう、イモーテル。僕も姉様がいつか僕に優しくなってくれたらいいな、って思うけど、とりあえず世間一般から離れた非常識なことをしなければそれでいいかな、って思うよ。僕は何事もなく、ただ平凡に過ごしていきたいだけだから。」
その為にはあと1年半頑張らないといけないんだけどね!!!
「…左様でございますか。微弱ではありますが、このイモーテル、トルー様の力になれるよう精一杯努めさせていただきます!何かございましたら何なりとお申し付け下さい。」
「(…なんか凄い熱くなってるな。)
うっ…うん、ありがとう。イモーテルにはいつもよくしてもらってありがたいと思ってるよ。もし何かあったら言うからそれまではいつも通りにしててね。」
「畏まりました。」
この様に何故かイモーテルも年々、僕に対する好意とブルーマリーに対する殺意?が増加している。
未だにイモーテルがそんなにブルーマリーを嫌うのか分からないが、従者としての仕事はしっかりしてくれてるから良しとしよう。
ただ、数ヶ月に1度、僕の洋服と下着が無くなることがあった。不思議に思いイモーテルに聞くと「何度も使用しておりますので新しいものと取り替えております。」と言われた。
最初は素直に「そうなんだ。」と思っていたが、ある時、事件が起こる。
1度僕が部屋に入った時、イモーテルが僕のチェストを開き、下着を眺めていたことがある。僕はイモーテルが何をしているのか分からず、少し様子を見ていた。すると僕の下着をギュッと抱き締め、頬擦りしており、僕はその光景に目を丸くする。
「(僕の下着を黒髪長髪のイケメンが頬擦りしている…!)」
僕は驚きながらもドアの物陰に隠れ、イモーテルが部屋を出て行くのを待った。
その後、僕はイモーテルが居なくなった部屋で自分の下着を眺める。
「(コレの何がいいんだ…?まぁ人の趣味は否定しないけどさ。)」
僕はその時、是非、イモーテルが下着の匂いを嗅いでいないことを祈ろう、と思った。




