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悪役令嬢の弟  作者: ミイ
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自己紹介

クラスに着くと担任の自己紹介が行われ、次は生徒である僕達の番になった。


あいうえお順で自己紹介していくので僕は中盤辺り、ブルーマリーは後半になる。


ヒロインは何処に座ったかというとなんと僕の隣だった。


「(えぇ!?何この偶然!?)」


僕は驚きで隣を見ることが出来ずにいた。


「(右隣…てことは、な行?)」


そんなことを思いつつ、自己紹介が進んでいく。


僕の自己紹介は直ぐに終わりヒロインの番になる。


「初めまして!ニア・バイオレットと言います。宜しくお願い致します。」


ヒロインはそう言うと直ぐに席に着く。


「(…バイオレット…?あれ?平民出身なら家名は無いはず…なら何で?)」


と考えているとブルーマリーの番になった。


「ブルーマリー・バルサムです…先程、自己紹介をしたトルー・バルサムとは何の関係もございませんので皆様、お間違えない様にお願い致します。」


と座る。


「(えぇー…。)」と内心思ったが、まぁ予想通りなので気にしない。クラスを見ても僕に少し哀れみの視線を向けてくるぐらいで自己紹介は進んでいった。


そして自己紹介が終わり、担任の案内の元、学内見学が行われる。


各学年はそれぞれ2クラスしかないので、さほど大きいわけではないが、この学校は魔法学校なので実技授業がある。よって、座学を行う場所以外に実技を行える施設が必要だ。


授業のうち、1年の間は殆ど座学で週1~2で実技、2年になると週1、2だったのが週3になり、3年になると週5になる。


僕達は座学を行う校舎の案内をそこそこに実技を行う校舎へと案内された。


広いホールの様なところに入った僕達は皆それぞれ一様の反応を示し、天井を見上げる。


「ココはどんな魔法を使用しても建物が崩れない様に結界が張ってあります。なので、実践練習はココで行なって下さいね。」


と担任が和かに告げた。


実を言うと僕は座学に関しての知識は学年で1位を取るほど優秀なのだが、実技でいうとそれほどでもない。なので、本気でブルーマリーに魔法を使われると僕は瀕死になるだろう。


今のところ、本気でキレられたことがないので分からないが一度ブルーマリーに怒られ、机を燃やされた時は本気でビビった。


ブルーマリーはその性格通り属性は"火"。ちなみに僕は"風"だ。ヒロインであるニアはというとこの世界では珍しい"光"。


この点でもブルーマリーの逆鱗に触れる1つなんだろう。


あと、ブルーマリーの婚約者であるルート様だが、どうやってヒロインと出会うのか、それはルート様も持っている属性が光で、週に何回か臨時講師として授業を受け持つ際にヒロインと出会う設定となっている。


ブルーマリーは勿論、その情報を知っており自分は婚約者の授業が受けれないのにヒロインはルート様の授業を受けるということで憎く思う。更に気づいたらルート様がヒロインと仲良くなっているという状況にキレるのだ。そして憎い余りヒロインに攻撃をしてしまい、それでルート様に婚約を破棄されてしまう。それでもブルーマリーを庇うヒロインをルート様は愛しく思いヒロインに恋をするという流れだ。


ここまではゲームの設定の中で固定されているもので僕が介入しなくても勝手に行われてしまう。


ただ、これにはルート様と必要以上に接点を作らなければ行われない。


ルート様のことで嫉妬するブルーマリーがヒロインを実技会場に誘うシーンがある。もしここで「はい。」と選択すれば先程の攻撃シーンに繋がる。


では「いいえ。」を選択すれば?と思えるが、ここでは「いいえ。」を選択してもブルーマリーに「私の誘いを断るの!?」と逆上され、結局攻撃される。


よって、このシーンまで辿り着かせないように僕がどうにかしないといけない。


確か姉さんの話では2年の2学期あたりでこのシーンが行われる。この時点でブルーマリーは没落ルートになるのだが、流石にメインは乙女ゲーム。ブルーマリーの動向はサラッと文章で流され、その後は行方知れず…。


僕にとってはそっちがメインなんだけどね!!!


とにかく、ブルーマリーとヒロインをほどほどに仲良くさせて没落ルート回避を頑張ることにする。

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