鋭利な眼差し
鋭利な眼差しは
無言で私を切り裂いた
通り魔のように
すれ違い様に
私はなんだかわからないまま
つけられた傷に戸惑っていた
何故と聞けなかった
何故と聞けばよかった
時は過ぎても
鋭利な眼差しは無言のまま
乾かない傷ぐちに爪をたてる
私があなたに何をしたと
問うたところで答えはない
わからないから癒えない
卑怯もの!と
罵れば自分に跳ね返ってくるばかり
重石をつけて記憶の底に沈めてしまおうか
いや、残しておこう
いつでも取り出せるように
時折、鋭利な眼差しと向かい合って
何故と、問わずに
何があったか知らないが
私が悪いなら言葉をぶつければ
よかったんだ
今、君はその鋭利な眼差しを
私以外の誰かに向けてないか?
それだけが気掛かりだ
なんて、わざとらしく
心を広げてみればいい
痛みに甘えるよりは
いくらかマシだから