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猫旅  作者: ダージリン
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第1話 猫、異世界へ・・・

やあ、諸君。突然だが吾輩は猫だ。名前はまだ無い。・・・・・・いや、今のはウソだ。名前はちゃんとあるぞ。このセリフ一度言ってみたかったんだよな。

でだ、なぜいきなりこんなことを言ってみたかったかというと、吾輩・・・いや、俺は異世界トリップとやらをやらかしてしまったようなのだ。現在何処かも分からないジャングルに居たりする。そう、自分は今、非常に混乱しているんだ。

猫の無いに等しい、小さな小さな脳みそがぶち壊れてしまうほどに現在フル回転中である。

どうしてこうなったのか・・・・・・・時は数時間前に遡る。




俺、桜井サクラは暑い暑い夏の真昼間、扇風機の前でぐだぐだと寝っころがっとった。全く、夏になると忌々しいだけさ。この毛・・・・・

ちなみに、この名前。俺はまだ納得していない。

何が悲しくて雄の俺がサクラなんて名前付けられなきゃなんねんだ。しかも、名字まで桜付いてるし。

さくらさくらってダジャレかい!この名前考えたのは我家のお母様。彼女はお花が大大大好きなんだ・・・・・。ついでに家は花屋だ。なのに我家にはお母様以外男しかいない。お父様に、長男の(ひいらぎ)、次男の椿(つばき)。兄弟どちらも花の名前。そして俺も。

ここまで揃えるとは、すごい花への執着だ。お母様・・・・・



あ、話しズレた。えっと・・・そう、異世界トリップした事についてだった。

で、今日もいつものようにのんびりと猫らしく、過ごしていたはずなんだが、はずなんだが・・・・

なんであの時散歩なんて行ったんだよ。俺・・・・・。

・・・ホント、行かなきゃこんなことには・・・・正直、異世界トリップする寸前の失態がアホすぎてそれが何より悔やまれる・・・・・。



・・・・あれは、俺が外を散歩している時に起こった。塀の上をトコトコと歩いていると、いきなり悪餓鬼どもが俺に石を投げてきた。なんてしつけのなってない餓鬼どもだ。親の性格も知れる。

奴らが鬱陶しかった俺は猛ダッシュで塀を駆け抜けた。あ、勘違いするなよ?決して逃げだしたわけじゃないぞ。奴らが相手にもならないほどのお子ちゃまだからお咎めは無しにしてやったんだ。



餓鬼どもの攻撃から逃げ切った俺は走るのを止め、またのんびりと散歩を満喫する、はずだったが・・・・

俺は油断していた。ちょうど歩いていた塀の中の庭で、ばあちゃんがホースで花や木に水やりしてたんだが・・・・

なんちゅー水の勢い。そんな威力の水かけられたら花萎れるぞ、ばあちゃん。と、一応、花屋の看板猫?としては言ってやりたかったが、そんなことよりも非常事態発生。

自分がばあちゃんのパワフル放水に吹っ飛ばされとった・・・・。吹っ飛ばされるだけならまだしも、飛ばされた先は水路の中。また水かい・・・・俺は濡れるんだったら、もういくらでも濡れろと思って、落下回避を諦め、そのまま水路へドボンッ。



・・・・・・で、気づいたらこの変なジャングル?みたいな場所に居たというわけ。

まさか水路の中にジャングルがあるなんてこと、猫の俺でも信じやしないから。これはきっと異世界トリップというやつだろう。と推測したんだ。



さて、別の世界に来てしまったわけだが、もう考えてもしょうがないと俺は思い始めていた。過ぎたことを悔やんでも、もとには戻らないし。これからの事を考えることにした。

これからどうしようか。

とりあえず、腹減った。何か食いモン探さんと・・・・


餌ってどうやって探すの?

生まれて一度も野生業やった事ないからな。キャットフードしか食べたことないし。

俺って、何食えんの?やっぱ、魚?なんか猫っぽいしな。


うん、魚探そう。で、魚はどこに居んのかな。やっぱ川か・・・?

とりあえず、川探そう。


サクラは草むらを掻きわけ、ジャングルの奥へと歩いて行った。



今回の作品「猫旅」は、「銀色の悪魔」とは正反対で、のんびりほのぼのとした作品を目指しています。

今のところ、メインは「銀色の悪魔」なので、こっちはのんびりと更新予定です。よろしくお願いします。

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