第9話:うわ、キモッ……
「んむぅ……どこ、ここ……?」
──目を開けた瞬間、脳みそがリアルタイムでミキサーにかけられてる感じがした。
「やっと起きたか、神い。」
気むうの声が聞こえた。いつもの、眠そうで感情ゼロみたいなやつ。
見渡してみたら──まあ、想像以上にショボい部屋やった。
ベッドが二つ。間に、しょぼくれたナイトテーブルみたいなやつ。
その上に、ちっちゃい窓。そこから朝の光が差し込んで──まるで、「はい、これが“目覚め”の演出でーす!」みたいな感じで。
で、うちはというと──その片方のベッドに、どーんと寝転がってた。完全にお姫様ポーズで。
気むうは、同じベッドに座ってて、無言でこっち見とる。
もう片方のベッドには、毛玉と獣人が仲良く並んで座ってた。
なんちゅうか……思索してるような、してへんような。たぶん、ただの暇。
「……あんた、寝てるときめっちゃ腰動かしてたで。しかも、『あっ──そこっ……』とか、『きゃ──』とか……言うてたし。」
「わ、わ、わかったわかったわかった!! もうええって!!」
──嘘や!絶対に嘘やからな!!
「そ、それは……その、スライムと戦いながら、ドライバーで修理してる夢やったんや!!あれは痛みと、ドライバーがうまくハマったときの……そう、達成感の声や!!ほんまに!!」
……
「はいはい、そういうことにしとこ。」マイルズが鼻で笑った。
「ちょうどいい言い訳やな。」気むうが淡々と返す。
「めっちゃ信憑性あるわ~、ハハハ!」フルカフトがニコニコ笑いながら言うた。
「……じーっ……」
周りをもうちょい見渡してみた。
……住めんことはないけど、クッッッソみじめやな、ここ。
「……ここ、どこやねん?どこのクソ宿や?」
「……あー、公営の冒険者用宿舎やで。はい、これ。」
マイルズが、袋入りのふかふかしたパンをポイッと投げてきた。
ちょうど腹減っとったから、即開封。
「なんでここ、こんなに貧乏くさいんや!?見てみ、壁の塗装ボロボロやんけ!」
「……節約や。
それに、この宿はギルド公認グループ限定で無料や。
寝れるだけありがたいと思え。」
「……ジョ、ジョピリィィィィィィィィン……」
あああああ……まず家奪われて、快適さも奪われて、ゲーム機も奪われて、日本のオタクライフも奪われて……
んで最後は、こんなしょーもない部屋で生活させられるとか……は?
誰がこんなクソシナリオ書いとんねん。
マジでいつかそいつ見つけて、うちの手でぶっころ……したるわ……。
「はぁ……で、風呂はどこなん? もう髪めっちゃかゆいねん。何日洗ってへんと思っとんねん。」
「風呂? ああ、下やで。むしろ、みんなで行こうや!」フルカフトが返事した。
「……みんなで?は?」
「公衆浴場やで。」気むうが淡々と答えた。
「はああああああああああああああああああああああああ!?!?!?」
───▣◎▣───
みんなで部屋を出た。
そのドア、ボロボロの引き戸でな──開けるたびに「ギィィィ……」って、魂抜けそうな悲鳴上げとったわ。
「ノーノーノーノー!! 絶対行かへんからな!!
あんなとこ、絶対おっさんとかに見られるやん!! 想像するだけで鳥肌立つわ!!」
うちは歩きながら、全力で自分の身体をギュッと抱きしめた。
「なに言うとん、神い。
普段はスカートめくって道行く男子にチップ渡しとったやんけ。」
気むうが冷たく言い放った。
「比べんなやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「まあ……安心せぇ、神い。一応、個室シャワーもあるで。
ただし、順番制やし、のんびりしてたら後ろの奴らにガチで急かされるけどな、ハハッ。」
フルカフトが笑いながら言うた。
「ハハッ……笑えへんわ、フルるん!!
マジで……最悪やわ……」
着いたんは、なんか中庭みたいなとこやった。
タイル張りで、全体的にチープやけど……まあ、そこそこ居心地は悪くなさそうな雰囲気。
でも、あちこちにある洗い場のせいで、めっちゃ湿っぽい。
んで、フルカフトが言うてた通り、端っこの方に──
個室シャワーっぽい扉があった。
……で、その前には行列が。
コ、コ、コ……コミケ並みやんけ!!
──いや、うそや。さすがに盛ったわ。
コミケは……あれは……もっと地獄や。
「うちは絶対シャワーなんか浴びへんからな! せいぜい髪だけ洗うわ!!」
──公式声明、完了。
「好きにしな。」
フルカフトがシャツを脱ぎながら返事した。
その瞬間、ムッキムキの胸筋がバッと露出。
周りの男連中も、みんな同じく脱ぎまくり。
……あかん、見てるだけで暑いわ。
なんやこれ、ほぼBL現場やん。
全部無視するモードに切り替えて、空いてた大きめの洗面台に向かった。
「……ちょっと脂と、髪の絡みだけ取れたらええねん、うん……」
気づいたら、気むうが後ろからついてきて、うちの隣の洗面台に立っとった。
「……な、なに?」
「一人にしたら、どうせすぐ興奮するやろ。」
「誰のことやと思っとんねん!?」
「神いや。」
「……チッ。」
そのとき──まだ服着てる数少ない男子の一人が、急に話しかけてきた。
顔は……まあ、爽やか系? いかにも「いい人です!」ってやつ。
「……君たち、新人?」
「え、えー……そ、そうやけど。」
うちは微妙に答えた。
気むうは、ただコクッと頷くだけ。
「初めまして、ルイです!これからよろしくお願いします!」
「う、うん……」
「今夜、屋上でちっちゃいパーティーがあるんですけど……良かったら来ませんか?みんなで仲良くなれたらなって^^」
「パス。」
即答して、そのまま洗面台に戻った。
いや、マジで。他に考えることいっぱいあるっちゅうねん!!ふざけんな!
「……わかった。」
気むうは、普通に返事した。
「……は?ほんまに行くんか?」
小声で聞いてみた。
「……別に。どっちでもええやろ。」
「……。」
──ノーコメント。
ルイはペコッとお辞儀して、そのまま……どっか行ったわ。
いや、別に興味ないし、どうでもええけど。
──さて。やっと髪洗えるターンやん!
……けどな?わかってるで。
髪の洗い方とか、いちいち説明されても誰もおもんないやろ?
知りたい人は、女子に直接聞いてみ。
うちはエンタメしに来とるんや。髪洗う実況とか、退屈すぎるわ!!
ってことで、シューシューっとこっち洗って、ワシャワシャっとあっち洗って、んで──
ぷふっ!!髪ぶわぁっ!!水しぶき大放出!!!
「あぁぁぁ──……」
髪をギュッとまとめて絞ろうとした瞬間……
気づいたら、周りの視線が全部うちに集中してた。
仲間含めて、全員や。
みんな……目ぇまん丸にして、顔真っ赤なやつもおった。
もちろん、気むうだけは平常運転。
「神よ……」マイルズがポツリ。
「……え?」
「いや、その……今の姿……神よ……」
「は?神? いや、うち“神い”やけど……なんで──?」
そのとき、フルカフトがシャワーから出てきて、こっち見てニッコリ。
「おーい神い!!濡れ髪めっちゃ似合うやん!スーパーモデルやな、アハハハ!」
タオルで髪拭きながら、もう一枚で下半身隠して、普通に歩いて行った。
……
その場、全員フリーズ。
うちは……だんだん顔がピンクに、そして真っ赤に。
そのまま洗面台に頭突っ込んで、髪で顔をバサッと隠した。
「い、いやああああああああ!!!変態どもがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
──なんやこの不敬者ども!!!???
───▣◎▣───
「神いお嬢、もっとお上品にしなさいよ。そんな大声出したらみんなビビるやろ、ほんま……」
マイルズが小言モードで言ってきた。
「そうや、神い。落ち着け。誰もお前に何かするわけちゃうし、ちゃんとうちらが守っとるから。」
フルカフトも、まるで先生みたいに追加してきた。
「……ふんっ!」
うちは腕組んで、ぷいっとそっぽ向いた。
はあ……何やこれ。
髪濡らしただけで全員鼻血レベルやったくせに、なんで今度はうちが怒られんねん!意味わからんわ!
「だから言うたやろ、神い。ちゃんと髪、整えたほうがもっと可愛く見えるって。」
気むうが、さらっと言い放った。
「……そうなん?」
無意識に、自分の髪を触りながら返事した。
でも、そのとき──
うちの髪型会議は、突然の爆音でぶっ飛ばされた。
どこからか、めちゃくちゃデカい音量の拡声器が響いてきた。
「冒険者の皆様!!! 繰り返す!!! 冒険者の皆様!!!
脅威発生! Cゲート・逆陽域前に集合せよ!!!
繰り返す! Cゲート・逆陽域前に集合せよ!!!
全員、即時戦闘態勢を取れ!!!」
「え?え?え?なに?どこ?え、え、ええええええ!?!?」
「行くぞ!!急げ!!みんな、ついてこい!!」
フルカフトが走り出して、うちらも慌てて後を追いかけた。
街中を駆け抜けるとき、階段から転げ落ちんように必死で踏ん張りながら──
うちは叫んだ。
「おい!!なんなんこれぇぇぇぇ!!?」
「村を守るんや!!」
「何からや!!?」
「知らん!!」
はあ……何これ。敵も分からんのに村守るとか、マジでやっとれんわ。
いくつもの通りを駆け抜けて、
獣人のおっちゃんやら、子供やら、おばちゃんやらをよけながら──
やっと、大きな門にたどり着いた。
その門は、でっかい城壁に埋め込まれとって、
うちらが着いた瞬間に「ギギギ……」とゆっくり開き始めた。
そして、その向こうに広がっとったのは──
いや、もう……なんていうか、超現実すぎやろ。
そこには── 女の子が一人。
まるで妖精みたいに、ぴょんぴょん飛び回りながら戦ってた。
相手は……でっかいカエル。しかも、二足歩行で、なんか……
変なダンス踊っとるやん!?モダンダンスか!?いや、なんやこれ!?
「……は?」
思わず声が漏れた。
その女の子はうちらに気づくと、全速力で降りてきて──
「やっと来てくれたんですね!ありがとうございます!ありがとうございます!!」
めっちゃおとなしくて、優しそうな子やった。
「……なあ、何が起きてんねん?」
マイルズが聞いた。
「この……この踊る悪魔カエルたちの襲撃が、どんどん増えてきて……
もう他の冒険者は戦いたくないって言って、誰も来てくれないんです!!
わ、私一人じゃ無理です!お願い、助けてください!!」
「いやいや……これ、なんでなん?なんでこんな動きしてんの?」
うちも思わず聞いた。
「わ、わかりません!!もう何日もこんな状態で……!!」
その子は、黒い猫耳がついてて、
衣装も……なんやこれ、ちょいエロめ?
うん、たぶん戦闘好きか……それか、ただのフラ(=furra)やろな、フルカフトみたいに。
「よっしゃー、やったるで!神い、準備はええか!?」
フルカフトが叫ぶと同時に、ドォンッと虎形態に変身した。
「……まあ、しゃあないな。」
うちも気合い入れて、初のガチ戦モードに突入。
「本当に……ありがとうございます!」
猫耳の子はそう言いながら、指からガシャンと鋭い爪を出してきた。
「……あんた、名前は?」
うちは聞いた。
「ゆみです!あなたは……?」
「神い。」
こうして、うちら全員で──空を飛んで、踊り狂うカエルたちに突撃開始!
「いっくぞおおおおおお……!!!!」
──でも、その瞬間。
フルカフトが急に止まって、ユミと私だけが前に飛び出した。
「……は!?何してんねん!?」
「頑張れよ、神い!!」
「おいぃぃぃぃ!!!この裏切り者ォォォォ!!!!」
……もう、しゃあない。集中や!
相手はジャクソンばりのダンスカエル。いける、いけるって!!
炎の拳、チャージ!!
──バッ!!
殴った!!
……え?
「アウッ!!」
カエルのカウンター攻撃がモロに入って、吹っ飛ばされた!
その間、ゆみは必死に爪で切りかかって──
「ふうっ!!」──でも、カエルの腕でドゴォッ!!
私は地面に転がりながら、必死に立ち直った。
「このクソカエルがぁぁぁぁ!!!!!」
今度は全力で突撃!!
お腹めがけて──!!
ドオォォォン──!!!
腹にめり込んだ!!
……けど、その瞬間。
「はあっ!!」
カエルが腹を膨らませて、内側から押し返してきた!!
次の瞬間──
「うわぁぁぁぁ!!!」
一気に空中まで吹き飛ばされた!!
カエルは……まだまだ踊り続けてた。しかも、めっちゃノリノリやん。
ゆみがこっちに飛んできた。
「ど、どうする!?」
「知らんわ、マジでわからんて!!」
チラッと後ろを見た。
フルカフトは虎形態で、なんか賢者みたいな顔して座っとるし、
マイルズと気むうは……ただ見てるだけやん!!期待すな!!!
「ほ、ほな──うちは前から!あんたは後ろ!王道パターンや!!」
「は、はいっ!!」
私たちは左右に分かれて、カエルを挟む形で突撃!!
「いやぁぁぁぁ……アタタタタタタタタタタタタタタタ!!!」
でも、カエルは黙ってへんかった。
「アホォッ!!」──ケツアタック!!
「アヘェッ!!」──腰フリ!!
──再び吹っ飛ばされた。
空中でフラフラしながら、ゆみを見た瞬間──
ズルッ!!!
……え?
巨大な舌が、ゆみをぐるぐる巻きにしてた。
「な、何やと──」
そのまま、ゆみはカエルの口へズブズブ吸い込まれていった。
「ゆみぃぃぃぃぃ!!!!」
「神いぃぃぃぃぃ!!!!」
あのクソカエル……
今、ゆみを……食おうとしとる……!!
うちは必死に、カエルを何度も何度もぶん殴った。
「おいっ……!離せっ……!ゆみをぉぉぉ!!!」
でも、全然効かへん。
皮膚がぬるぬるで分厚すぎる。
そのとき──
別のカエルが私をガシッと掴んで、
「クラックッ!!」
膝蹴りを叩き込んできた。しかもリズム崩さずにやっとるとか、ふざけんな!!
「ぐっ……!」
血を吐きそうになりながら、立ち上がった。
「……もうええわぁぁぁぁ!!!!
カァァァァァセェェェェェェェェェェイ──!!!!」
でっかいカセイハを全力でチャージ!
「ハァァァァァァァァァ!!!!」
──ドォン!!!
巨大な火炎波がカエルたちに直撃!!
……が、効いてない。
少し焦げたくらいで、むしろ怒り倍増。
そして、その瞬間──
カエルは、ゆみを完全に飲み込んだ。
「や、やめろ……!!ゆみぃぃぃぃぃ!!!!」
でも、そのとき──
カエルたちが、さらに息の合った振り付けを始めた。
「フッハー!フッハー!」
「え、ちょ、待って──」
不意を突かれて、ガシッと捕まれた。
「うわぁぁぁぁ!!!」
そしたら……
ボールみたいに蹴られ始めた。
しかも、めっちゃノリノリのリズムで!!!
蹴られるたびに、全身から絶叫が漏れた。
「やめっ……!!やめろぉぉぉぉ!!」
骨が一発一発で折れていくのがわかる。
痛みが、どんどん深く、鋭くなっていく。
「放せ……!お願い……」
声が、もうほとんど出なくなってた。
「ゆみ……っ!!」
視界の端で、草がバグったように歪んで見えた。
私は、そのまま空中を何度も、何度も、飛ばされ続けた。
「……もうええわ。次、俺の番や。」
その瞬間──
フルカフトが現れて、空中で私をキャッチした。
一気に加速して、マイルズと気むうのところまで投げ飛ばされた。
「うっ……ゆみ……」
弱々しく呟いた。
マイルズと気むうは、顔を見合わせて──
同時に頷くと、手と尻尾を私に向けて伸ばした。
マイルズが魔法で骨を繋げ、
気むうが脳内に回復ホルモンを注入してくる。
治療を受けながら、私はぼんやりと戦場を見てた。
フルカフトは虎の動きそのもの。
軽快にステップし、攻撃をパリィして、次々と反撃を決める。
カエルたちは、どんどんリズムを崩されて──
気づけば、あっという間に地面に倒されてた。
血まみれで、動かなくなったカエルたち。
あの光景は……マジで、誰にも見せたくないレベルの惨状やった。
フルカフトは、戦いを終えると──
血で染まった毛並みのまま、カエルの死体を一匹ずるずる引きずってきた。
無言でその場に立ち、
鋭い爪を振り上げると──
ズバッ!!
腹を一気に切り裂いた。
その瞬間、内臓液と血が周囲に飛び散って、うちら全員にかかった。
中から、どろどろの液体にまみれたゆみが出てきた。
体を震わせながら、苦しそうに咳き込み、ゆっくり動き始める。
誰も……何も言わなかった。
私は、全身の痛みをこらえて立ち上がった。
ゆみに駆け寄ろうとした瞬間──
「神い!!や、やめ──!」
マイルズが何か言いかけたけど、途中で言葉を飲み込んだ。
「ゆみ!大丈夫か!?おい、しっかりせぇ!!」
顔に手を当てながら声をかけた。
「ありがとう……神い……ほんまに……」
「ごめんな、ゆみ!!うちは……うちは全然戦えへんかった……!!」
「大丈夫……私も……あのカエルには……勝てなかった……」
歯を食いしばって、周りを見渡した。
「お前ら!!なに突っ立っとんねん!!!気むう!!誰か呼んでこい!!はよ!!」
気むうは一瞬ビクッとしたけど、そのまま頷いて走り出した。
マイルズは最後の魔法処理を終えて、私の体を見た。
「……はい、これで回復完了や。」
「……サンキュー……」
その間、フルカフトは人間の姿に戻って、カエルの頭を何かいじってた。
マイルズもそっちに寄っていった。
私は、まだゆみのそばに残ってた。
気むうは、すでに助けを連れて戻ってきてたけど、耳に入ってくる声があった。
「何か見つけたか、フル?」
「……ん、あんまり良くないな、マイルズ。
脳に……異常があった。」
「このカエル、意識ないんやろ?」
「ない。ただの非知的生命体や。
でも、これを見ろ。」
「……マジか。
これ……あれに似てる……。研究所で見つけたレンダリングエラーの挙動とほぼ一致や……。」
「それで、どないすんねん?」
「つまり……エラーが、生物にまで影響を及ぼし始めとるってことや。
誰も報告してへんのか……?これはスウェトボーレ陛下に伝えなあかん。」
「……そっか。
じゃあ……もう、やるしかないな。」
「……ああ、そういうことや。」
……なんにせよ、めっちゃ深刻そうやった。
そして……
もう、ほんまに……
うちは、こんなん耐えられるんか……。
……正直、自信ないわ……マジで……。