表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

第7話 お昼タイム

 ******雫側の視点です******


 午前中は快勝かいしょうしてて良い感じだし、朝少し走って徒競走に向けてのコンディションもばっちし。お弁当食べて回復して徒競走一位取るぞ。お昼休憩、この時間も体育祭といえばの大事なイベントよね。そういえばみんなは……。

「しずく~、こっち~! 一緒にお昼食べよ?」

みんなを探していたら由紋ゆもんから名前を呼ばれた。もう里美さとみも来ていた。

「うん。じゃあ茉生まきちゃんのところで食べよう。準備してから行くね」

 お昼休憩に入り、各自持ってきた弁当を広げる。給食じゃない日は皆食べるものが違うから、交換っことかをしている子も多くいる。各クラスごとに設けられている応援席内で席を移動したり、椅子を動かしたりして仲の良い人同士で固まってお昼を食べている。やっぱりいいね。こういう感じ! 青春! 私も準備をしてイツメン三人のもとへ向かった。


「残るは徒競走だね」

「いいなー、しずくもゆんちゃんも走るの得意だよね」

茉生ちゃんはこちらをみながらそういった。

「うん。陸上部だからね。今年も雫と勝負だな~!」

ゆんちゃんこと由紋ちゃんはそう答えた。私と由紋は陸上部に属しているから、お互いに運動は得意で体育の授業とかでもよく対決したりすることもある。

「まき、そういうの苦手。でも、雫ちゃん走ってるときすごくかっこいいよね。見惚みほれちゃうもん」

「照れるから、やめてよ。茉生ちゃん」

 私は両手で茉生ちゃんの両頬を撫でた。私と茉生ちゃんを里美さとみがニコニコしながら見守ってくれていて、一方で由紋は私に嫉妬しっとしてるのか、茉生ちゃんにこう言った。

「茉生ちゃん、私のことも見といてね」

「うん。頑張ってね、ゆんちゃん!」

「そういえば陽貴はるきくん、サッカー部だよね?」

 ゆんちゃんは茉生ちゃんからのエールを受けて照れると、今度は強引に話題を変え里美にパスした。

「そう! サッカー部だよ」

 陽貴くんの話になり里美が顔を染め上機嫌で答える。陽貴くんとは里美の彼氏のことで、小学校の頃からサッカーをやっていたと聞いたことがある。

「足も速そうだよね」

「もちろんよ! 相手はね。誰だったっけなあ……」

 里美は男子たちが飯を食べてる方をさしながら悩んでいる。

「しのだ?くんだったはず」

 私の体はピクッと反応した。里美が唯一ゆいいつ思い出せたのは香くんで他の人はわからないと言うと、ゆんちゃんが、あんまり予想できないけど最下位はないね、と言った。私はそれを聞きながら辺りを見渡した。どの席にも彼の姿はなく、里美が指を指した方向にある香くんの席には陽貴くんが座っていた。


 私は気づけば三人にお手洗いと偽り、香くんを探しに来てしまっていた。中には参観に来ていた親とお昼を食べている人もいる。平日なのと思春期なのが相まってほとんど見かけないけど、小学校のときはそういう人の方が多かったし、香くんもきっとそうなのだろう、と思いながらも不安が拭えず必死に探していた。諦めて戻ろうとした頃、体育館の裏に向かう人影が見えた。香くんだ。朝巻いてあげた赤いハチマキは外れていた。1人でいる彼の後を追う。彼に追い付くと彼は行き止まりで座っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ