4.クラス分けと新たな決意と
一人称(主人公)視点で話が展開されます。
少しして馬車から降りた私とライは、新入生のクラス分けが掲示されているところまで向かった。移動途中ライラックに教えてもらったこの学園のシステムについて、頭の中で整理した。学期は前世と同じ三学期制で、一年生のクラス自体はA・B・Cと3クラスあり、入試試験の結果で成績上位者からA・B・Cの順番に割り当てられるそうだ。また、学年が上がる時も最終試験の結果でクラス分けされるらしい。
この学園では何よりも成績が重要なようだ。
試験の内容は筆記試験と実技試験の二つに分かれており、筆記はこの国の歴史や魔法、貴族として必要なマナーといった内容で、実技試験は魔法を使って行われるらしい。
(これ、私大丈夫かな…不安になってきた…)
自分の先行きが不安になり、頭を抱えているうちにクラス分け表の前まで来ていた。
リーリア・アルメリアの名前を探す。
Cクラスにはいない…。
Bクラスにも…い…ない。
Aクラスに…い、いたー!
「う、うそでしょ!?私Aクラス!?」
「みたいだね~」
「リーリアって賢かったの?!」
「お嬢はアカデミーで才女って言われてたくらいだから~、筆記だったら5位以内にははいってると思うよ~?」
“アカデミーってのはこの学園入る前に行くとこ~”とかいうテキトーな説明をされたが、アカデミー云々よりも、リーリアが才女であるということの方が重要だ。悪役令嬢で才女という何ともまあ属性もりもりから、こんな限界大学生学力そこそこ平凡女にバトンタッチ。しかも原作未読なのが影響しているのか、リーリアの幼少期の記憶などはすっぽり抜け落ちている。そのため今の私はこの世界の知識は皆無なのである。
これからの学園生活が不安でしかない…と思う私であった。
「—ア…、リア。あ、戻ってきた。あんた定期的に意識飛ぶよね。」
「ごめんごめん。私さ、この世界の知識とか全くないんだけど、Aクラスで大丈夫かな…?」
「まあ大丈夫じゃない?俺もAクラスだし、どうにかなるよ~。ほら、俺はリアさまの護衛兼お世話係だし?」
「私っ、ライがいてくれてよかった!何かあったらライを頼るからね!見捨てないでね!?」
「はいはい。それより、“あれ”いいんですか?」
“あれ”とAクラスのクラス表を指さすライラックに従ってクラス表をもう一度眺める。
「…エルネス・アクロライト…、カリス・エルブンガルド…、ファンネル・クライシア…ン!?」
「見事に揃ってるね~」
私が警戒すべき相手が勢ぞろいだった。
(そうだよね…。三人とも優秀だもんね、ライからの話聞いただけですごいの分かったもん…。でも、でもまさか全員勢ぞろいなことある?…これが原作不可避ってやつかなぁ…。)
警戒対象である三人と同じクラスになるというまさかの展開に、これはリーリア才女マジックだと半ば諦めの思考に至る。しかし、私にはライラックという最強の護衛兼お世話係がいる。
(悪役令嬢の隣にいる人って秘密を隠してる重要人物だったり、チート持ちの最強キャラだったりするんだよね。ただ、大体最後には裏切ったりする流れが多いから、その辺は気を付けないと…。だから、とりあえず私はライという最強の護衛兼お世話係を、味方につける)
「何ブツブツ言ってんの~?」とライラックに顔を覗き込まれ、教室に向かおうと促される。
「ライ」
「ん~?」
「がんばろうね」
私はライラックの後に続き、歩き出す。
いざ、教室へ!
誤字脱字等チェック漏れありましたらすみません。
日本語表現等、駄文な節が御座います。ご了承ください。