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モテモテで修羅場な私の日常(百合)  作者: みりん
そして始まる新たな関係
20/25

凛と私の選択


 カレンや雫先輩と別れて、凛のことをどうしようかと考える。


 今すぐにでも会って話したい気持ちもある。


 でもとりあえずは一旦、時間を置こう。

 話すとしても明日だ。そのほうがいいだろう。


 その夜。

 凛の姉の奈々さんからメッセージが届く。


『凛となにかあった?』

『まあいろいろと』

『まあ、頑張って。凛もいろいろ考えてるみたいだし』

『はい』

『そういえば、凛にハーレム的なのどう思う? って聞かれたんだけど。心当たりある』


 ん?


 私はそっと携帯を閉じた。


   ***



【奈々視点】


 なにやらうちの妹の様子が少しおかしい。


 さっき自室に入っていくとき、私はどうしたらいいんだーと頭をかきむしっていた。

 そっと凛の部屋に耳を当ててみると、付き合う、付き合わない、付き合う、付き合わない……と言う言葉が順に聞こえてくる。

 

 花占いでもやってるのかな?


 __付き合う。付き合わない、付き合う! やっぱり、私は付き合うべきなのか……いや、でも。


 続いてそんな声が。

 恋する乙女か! じれったいな、でもそんなところが可愛い。


 ちなみに花占いは高確率で花びらが奇数枚。だから、付き合うで終わることが多い。


 凛がこうなる原因はだいたいが優ちゃんだ。

 今回は、なにがあったんだろうか?


 うちの妹の凛は優ちゃんが大好きだ。

 それも多分、同性としてでなく異性として意識している。


 私が優のお嫁さんになる! って、子供のころから言ってたからな……。


 他の男に凛をとられるのも嫌だった私が優ちゃんとの仲を煽りまくったのもあるだろう。


 特にクリスマスに、優ちゃんと一緒にいれないのがショックだったらしく、私に優ちゃんとこれから一緒にいるにはどうすればいいと聞いてきたとき。

 面白半分に優ちゃんと恋人になれば一緒にいれる時間が増えるよ! といったあたりから露骨に意識してる姿が見て取れた。

 優ちゃんは鈍いからか凛の様子の変化に気づいてなかったけど……。


 まあ、なるようになるかと自分の部屋に戻る。

 そして、しばらくして__


「姉さん、少し相談があるんだけどいいか?」

「いいよ」


 凛が私の部屋に入ってくる。


「相談って?」

「姉さんは、女性と付き合うことについてどう思う?」


 いきなり本題から入ってきた。

 なりふり構ってる余裕がないのかな。

 お姉ちゃんに任せなさい!


「まあ、いいんじゃない。優ちゃんとなにかあった?」

「なっ!? べ、別に優となにかあったわけじゃないが」


 驚愕きょうがくの表情をする妹。相変わらずわかりやすい。


「じゃあ、複数人と付き合うことについて姉さんはどう思う?」

「ん?」


 聞き間違いかな?

 いやいや、妹はそんな子じゃないはずだ。落ち着け私。


「複数人と付き合うことについてどう思う?」


 私が聞き逃したと思ったのか、もう一度繰り返し言い直してくる。

 聞き間違いじゃなかった……。これが若者の性の乱れなのか……。


「お姉ちゃんは駄目だと思います!」

「どんな状況でもか?」


 肯定して後押ししてほしいのかな? 恐る恐るといった感じでたずねてくる。

 でも、お姉ちゃんは許したくありません。


 これは優ちゃんがなにかしでかしたのか?

 あとで問いただそう。


「まあ、凛がなにに迷っているのかわからないけれど、結局のところ後悔しない選択肢なんて存在しないんだしね。人に迷惑かけなければ、したいようにすればいいとは思うよ。でも、そんなハーレムみたいなうらやま__げふんっ、いけないのはお姉ちゃんが許しません! もしそんな風に付き合うなら全員連れてきなさい」

「そうか……、相談に乗ってくれてありがとう。私なりにいろいろ考えてみるよ」


 凛が部屋から出ていく。

 さて、優ちゃんに問いただしますか。



   ***



 翌日の放課後。

 場所は、またしても屋上。


 今回は凛と2人きり。


「優、私は優とずっと一緒にいたい。私1人と付き合うんじゃ駄目か?」

「うん。正直なところ、私は女の子と付き合いたいって気持ちがまだよくわかってないの。凛とはずっと一緒にいたいとは思ってる。でも、それは友達としての気持ちが大きくて……だけど、デートしたりしたことで付き合う対象としては意識し始めた。でも、それはカレンや雫先輩も一緒で」


 みんな本当に素敵な女の子たち。

 みんな優しくて気づかいが出来る。

 でも、だからこそ__


「多分、1人選んだらカレンは気遣きづかって私と遊んでくれなくなる。凛も同じように、距離をとっていっちゃうと思ってる。雫先輩は、わがままなところもあるけど人一倍わきまえてるところがある。私の邪魔になるのを嫌がって、また1人になっちゃうんじゃないかな。私はそんなのは嫌」


 そんな風になる事が予想出来たうえで、1人を選べない。


「全員振って友達として一緒にいても、どこかしこりみたいなものは残ると思う。少なくとも、私は今みたいな距離感で接するのは無理。どれを選んでも私にとってバッドエンド。ならわがままでも全員と付き合いたい。それが私にとっての唯一のハッピーエンドかなって」


 実際、ハッピーエンドになるかバッドエンドになるかはわからない。

 こういうのって、メリーバッドエンドって言うのが適切なのかな。


 ただ、それがバッドエンドにならないよう最大限の努力はしよう。

 

「だから、好きです。私と付き合って、凛」

「優は仕方ないな。いつも自分勝手で自由奔放。でも、それが優の幸せなら……こちらこそお願いします」


 そうして、私と凛、いや私と彼女たちとの新しい関係が始まる。


次からコメディ多めに戻します。

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