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モテモテで修羅場な私の日常(百合)  作者: みりん
私の修羅場な日々
17/25

閑話:あたしのクラスメイトの様子が少しおかしい【渡良瀬恵美視点】


お弁当の時に1話だけ登場した子です。


 ようやく授業が終わり昼休み。

 やっと、昼ご飯の時間だぜ。

 目当ての品が売り切れる前にダッシュで購買に急ぐ。


 私が教室に戻ると、教室にいるのはクラスメイトの3分の1ほど。

 私が購買から買ってくるのが早かったため、みんなまだ帰って来ていない。


 今日は誰と一緒に食べようかなと考えていると、とあるグループが目に付く。

 そのグループは、今日もなにやら騒がしくしている。


「優先輩、今日は私のお弁当ですよ。はい、あーん」

「いや、自分で食べれるって……」

「そんなこと言わずにどうぞ! 自信作です」

「じゃあ、もらおうかな」


 後輩ちゃんから差し出されたたまご焼きを食べようと、口を開き前に乗り出す篠崎優シノ

 その口に横からすっと抜け駆けするように差し出された卵焼きがおさまる。


「あっ!」


 後輩ちゃんが驚いた表情でそれを見つめる。

 

 その表情の先には先輩さん。


「優さんが甘めが好きっていうから、甘めにしてみたの。味はどうかしら?」

「どうかしらじゃないですよ! 横からなにをしてるんですかっ!」


 後輩ちゃんの怒りはもっともだ。


「え? 私は、ただ優さんが私の卵焼きを食べたそうに口を開いてたから……」

「アタシとのやり取り見てたでしょ!」

「私は常に優さんしか見てないもの、仕方がないわ。そんなに怒ると血圧が上がるわよ。それに怒ると老化も早まるらしいわ」

「誰のせいで怒ってると思ってるんですか!」

「助けて優さん、星宮さんが怖いの」


 そんなことをいって、シノに抱き着く先輩さん。


「いや、今のはさすがに雫先輩が悪いですよ……」

「優さんが言うなら仕方がないわね。ごめんなさい、星宮さん」

「分かればいいんですよ。分かれば」

「優さん、謝れた私を褒めてください。頭を撫でてください」

 

 シノの手を取って、自分の頭に持っていく先輩さん。

 シノも仕方ないなといった様子で先輩さんの頭を撫でる。


「ちょっと、なんでそうなるんですか? 私の頭も撫でてくださいっ!」


 先輩さんが撫でられて不満そうな後輩ちゃん。

 先輩さんに突っかかるのは時間の無駄だと思ったのか、自分の頭を差し出す。


「まあ、今回は許してあげますよ。私は心が広いですからね」


 シノに撫でられて満足したのか後輩ちゃんは席に着く。


 その様子を、羨ましそうに見つめる朝海凛あさりん

 その様子を察したのか、シノがあさりんの頭を撫でると、あさりんがありがとうといった感じで会釈えしゃくする。

 シノも気にしなくていいよといった感じの目線を送り席に着く。


 ちなみに、後輩ちゃんと先輩さんが争ってるときもあさりんは黙々と自分のお弁当を食べていたし、2人がシノから目を話したスキに自分の卵焼きもどうぞと、シノにあーんしていた。

 このかん、一言もしゃべらずにシノとコミュニケーションを取っている。

 長く連れった夫婦かとつっこみたくなる。


 そういえば、結局この4人の関係性はなんなんだろう。

 みんながシノを好きなのは伝わってくる。

 だけど、女の子同士だし……。


 気になった私は少し話しかけてみることにした。


「よっす、シノ。今日も楽しそうだね」

「よっす、恵美。どうしたの?」

「いや、なにやら楽しそうだから私も混ざりたくなってね。最近、シノと絡めてないし」


 実際、最近のシノとはこの人たちとの時間が増えたせいであんまり遊べていない。

 1年のころは、よくご飯を一緒に食べていたりしていたので少し寂しい気持ちにもなる。


「そういえば、最近はなんだかんだでこのメンバーの誰かと過ごすことが多かったからね。今日は一緒に昼ご飯を食べる?」

「あたしがお邪魔していいの?」

「むしろ来て欲しいな。せっかくの機会だし、仲のいいクラスメイトを2人にも紹介しておこうって思って」

「ならお邪魔するね」


 私は近くの空いてる席に座る。


「雫先輩とカレンに紹介しておくね。私のクラスメイトである渡良瀬恵美。1年のころからの友達」

「どうもよろしくね! 渡良瀬恵美です。シノとあさりんとは1年のころからのクラスメイトで友達だよ。気軽に恵美って呼んでね」


 出来るだけ元気に挨拶する。


「よろしく、恵美先輩! 1年の星宮カレンって言います」

「よろしくね、カレンちゃん」


 人当たりの良さそうな子だ。染めているのかどうかわからないけど金髪が綺麗だ。

 そういえば、友達が1年にすごくかわいいハーフの子が入学したと言っていたがこの子のことだろうか。


「よろしくお願いします、渡良瀬さん。3年の月城雫です」

「こちらこそよろしくお願いします。月城先輩」


 さっきのカレンちゃんとのやり取りの印象とは違って、打ち解けづらい感じだ。

 それにしても、綺麗な人。さすがは、雫姫ともてはやされるだけのことはある。

 私も、この学園で1番モテるひとということで名前だけは知っている。

 

 それにしても、このグループには学園の綺麗どころが集まってるな。

 カレンちゃんは入学したばかりで噂をまだあまり聞かないけれど時間の問題だろう。あさりんと月城先輩は当然のようにすごくモテる。

 シノも人当たりがよく美人の部類には入るのでモテそうではあるが、男性に苦手意識があるのか男性との会話がぎこちないし、わかりやすく距離をとっているため男子の人気はそれなり。

 

 たまに、このグループにからもうとしてる男子がいたりもするが、全部月城先輩かあさりんが追い返している。


「そういえば、このグループってどういう集まりなの?」

 

 私は気になっていたことを聞いてみる。


「優先輩が好きで集まった集まりです!」 


 カレンちゃんが答えてくれる。


「そうなんだー」


 まあ、シノは女子からよく頼りにされてるしね。

 人徳があるんだろう。


「そ、そうなんだよ。別になにもおかしい集まりじゃないよ」


 シノの様子が少し挙動不審だが、気のせいだろう。


「そういえば、さっきのシノと月城先輩って恋人みたいに仲が良かったよね。あーんしていたり、頭を撫でたり」

「そ、そうかなー」


 目が泳いでいるシノ。どうしたんだろう。


「渡良瀬さん、あなた見る目がありますね。私と優さんは恋人なんです」


 お堅そうな人が冗談を口にするとは意外だ。


「ちょっと、月城先輩。いつからあなたが優先輩の恋人になったんですか! 優先輩の恋人ならアタシが適任です!」

「ちょっと2人とも! 落ち着いて」


 みんなシノのことが好きなんだね。

 そのうち本当に恋人になったりして。

 まあ、そんなことはないか。


 ちなみに、まだ凛は黙々と無言でお弁当を食べている。

 どこまでもマイペースである。


渡良瀬恵美は節穴である。


これで2章完結!

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