表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モテモテで修羅場な私の日常(百合)  作者: みりん
私の修羅場な日々
12/25

私と後輩と部活動


 昼休みも無事? に終わり放課後。

 雫先輩は文芸部、凛は調理部があるので部活の活動へ行くと言っていた。


 新入生が見学に来るタイミングなので、何かと忙しいのだろう。

 ちなみに私は帰宅部。今日も部活動をまっとうしてすぐに帰らなければ。

 帰宅スピリットだけなら一流である。


「先輩、部活動見学に行きませんか?」

「へ?」


 鞄を手に取って教室を出ようとした私に声がかけられる。

 声をかけてきたのはカレン。


「私、2年生だよ?」

「だからこそですよ。せっかくなんで校舎の案内もお願いしたいです!」


 まあ、理にかなってはいる。

 さて、どうしようか?


 そういえばと、気になっていたことを質問してみる。


「私のとこばかりに来ていてクラスの友人関係は大丈夫なの?」


 新入生にとって、今が1番友達を作るのに大切な時期じゃないだろうか。

 昼休みもうちのクラスまで来てたし……。


「心配ご無用です! アタシの友達も連れてきてるんで一緒に回ってもいいですか? 教室の外に待たせてます」

「私は別にいいけど、友達は大丈夫なの? 気をつかったりしない?」


 教室の外を見ると、金髪ギャルらしき姿が。

 うちの高校は髪染め自由なので、割と染めてる人がいる。

 私も茶髪だし。


 新入生ではなかなかに珍しいけれど。


「私の親友の片霧冬花かたぎりとうかです! アタシは冬花って呼んでます。中学からの付き合いなんです」

「今日はよろしくお願いします! あなたがカレンからよく聞く優先輩ですね。1度会ってみたかったんです」


 そういうと、軽くお辞儀される。


 見た目に似合わず、礼儀正しい子だ。

 金髪に染めてるのが不思議になる。


「前から2人には会ってもらいたかったんですよ! 見た目は金髪だけど、冬花はすごく良い子なんです! そもそも金髪にしてくれたのが__」

「__ちょ、馬鹿! 恥ずかしいから言うなって」


 冬花ちゃんが止めるのを無視してカレンが語りだす。


「アタシが金髪で目立ってやっかみを受けていたのは先輩もご存じじゃないですか?」

「まあ、そうだね」


 今はこんなに明るい子になって……先輩として感無量だよ。


「そんな時に、クラスに馴染むきっかけになってくれたのが冬花なんです。仲良くなった後に、アタシが1度黒髪にしようかなって言ったら、翌日に金髪で登校してきたんです! 金髪が2人になれば目立たねーだろて言って」


 本当に嬉しそうにカレンがかたる。


「その話はやめろよ、恥ずかしいだろ。私は好きで金髪にしてんだ」

「まあ、その後生徒指導室に呼ばれてたんですけどね。ちなみに、帰ってきた冬花は少し涙目でした」

「その話は本当に恥ずかしいから言うなって!」

「……あの時は嬉しかったな。ありがとね、冬花」

「どいたま。まあ、気にすんなって」


 そういって笑いあう2人。

 冬花ちゃん、めっちゃ良い子じゃん。


「2年の篠崎優です。こちらこそよろしくね。冬花ちゃんって呼んでもいい?」

「呼び方は何でも構いませんよ。よろしく、篠崎先輩」


 挨拶も終わったところで、私たちは教室の外へと歩き出す。



   ***



 まずどこから行こうかってなったけれど、ひとまずは学校のよく使う施設を案内する。

 

 とりあえず、やってきたのは購買。


「ここが購買ね。基本的にパンと弁当を売ってるよ。おすすめは日替わり弁当とメロンパン」

「アタシも冬花も自分でお弁当を作ってくることが多いので、使うことは少なそうですね」

「冬花ちゃんも弁当を作ってくるの?」

「冬花はアタシより料理が上手いですよ。中学の部活も料理系でしたし」


 ギャルで料理好き。萌えポイントが高い。


「じゃあ、あとで調理部に行こうか」

「……た、助かります」


 少し照れた表情で、冬花ちゃんがうなずく。かわいいかよ。

 


   ***

 


 次に来たのは図書室。

 扉を開くと、雫先輩の姿が見える。


「優さん、私に会いに来てくれたのね。大好き!」


 そういって、雫先輩が私に抱き着いてくる。


「先輩はアタシたちを案内しているだけです、離れてくださいよアバズレ」

「なんだかハエがうるさいわね、今度虫よけスプレーを買っておくわ」


 いきなりバチバチな2人。

 冬花ちゃんが後ろで引いている。


「まあ、いいわ。文芸部へようこそ。案内を聞いていく?」

「あれ? 文芸部って部室ありませんでしたっけ?」


 確か図書室のすぐ近くに文芸部の部室があったはず。


「そうね、普段は部室が活動拠点よ。新入生の部活見学期間だけ図書室で活動してるの」

「なるほど」


 だから、雫先輩が図書室にいたのか。


「案内は大丈夫ですよ、月城先輩。アタシも冬花も文芸部に興味がないんで」

「ちょっ、その言い方は先輩に対して失礼なんじゃ。すいません、先輩。カレンもいつもはこんな子じゃないんです」


 冬花ちゃんのフォローもむなしく言い争いが続く。


「あら、じゃあ優さんに説明するから星宮さんは帰っていいわよ」

「ざんねーん。先輩はアタシたちの案内があるんで一緒に帰りますね」


 にらみつけあう2人。


「え、あの2人ってどういう関係なんですか? 篠崎先輩」

「うーん、水と油、犬猿の仲、永遠のライバル?」


 詳細を語るといろいろ面倒くさくなってしまう。半分以上、私のせいだし。

 不安げに見守る冬花ちゃん。

 

「軽く案内してもらっていいですか、雫先輩。カレンもそれでいいよね? ね?」

「わかったわ、優さん」

「仕方ないですね、ここは優先輩に従います」


 雫先輩に文芸部の説明と図書室の説明をしてもらい、図書室をあとにする。



   ***



 お次は調理部。調理室へ向かう。

 調理部には凛がいるはず。


 扉を開くと、なにやら甘い香り。


「おお、優。来てくれたのか。簡単なお菓子作りをしているんだがどうだ? 後ろの2人も良ければ」

「凛、何を作ってるの?」

「簡単なカップケーキだ。30分もあれば出来る。果物やチョコもあるから好みでカップケーキにせてくれ」


 おお、それは良さげ。


「じゃあ、作らせてもらってもいい?」

「よし、わかった。準備するから待っててくれ」


 そういって、材料を取りに行く凛。


「めちゃくちゃいい先輩そうだね、カレン。私、調理部で決定かな」

「朝海先輩は、文芸部のアバズレと違っていい人ですよ。そこは保証します」


 そういえば、カレンも凛には突っかかってないしな。

 なんだかんだ凛はまっすぐで誰からも好かれる。


 そこから、材料を混ぜたり、オーブンで焼いたりして完成。

 

 冬花ちゃんは凛と仲良く話している。

 性格も合いそうだし、仲良くなるのも早い。 


「よし、これで完成だ。食べてくれ」


 凛が焼きあがったカップケーキを持ってくる。

 それぞれのトッピングが乗ったカップケーキがトレイに焼きあがった状態で並んでいる。


「先輩、アタシの作ったのをどうぞ」


 カレンから自分の作ったカップケーキを渡される。

 キャラメリゼされたりんごが載っていて美味しそうだ。


「わ、私のももらってくれないか?」


 凛も差し出してくる。

 凛のにはチョコが乗っている。


「2人ともありがと。じゃあ、私のカップケーキも__」


 2人に渡そうと思ったけど1つしかないや。どうしよ。


「じゃあ、アタシたち2人は先輩のカップケーキを半分ずつもらいますね」

 

 そういって、カレンはカップケーキを半分ちぎり、残りを凛に渡す。


「あ、ありがとう。優と星宮さん」

「いえいえ。アタシのことはカレンって呼んでくれてもいいですよ、朝海先輩」

「じゃあ、カレンちゃんと呼ぶことにするね。私のことも凛先輩とかでいいよ」


 なんだか仲が良くなっている2人。

 あとからカレンに聞いたら、凛先輩と関わるといい人すぎて毒気が抜かれるんですよねって言っていた。


「いろいろありがとね、凛。じゃあ、私たちはここらへんで」


 そろそろ次の場所にも行こう。


「私はもう少し調理部を見学したいからあとは先輩とカレンの2人で周ってきていいですよ」


 冬花ちゃんがそんなことをいう。


「そっかー。じゃあ、あとは先輩と二人で行きますね。またね冬花」

「うん、またねカレン。あ、最後に少しだけ2人で話しませんか、篠崎先輩?」

「ん? いいよ」


 2人で話そうと言われたので調理室のすぐ外に出て冬花ちゃんの話を聞く。


「カレンって、ああ見えてすごく臆病で繊細な子なんですよ。だから、泣かせるなとは言いません。泣いたら私がなぐさめるんで。篠崎先輩は、出来るだけカレンと誠実に向き合ってやってください。お願いします!」


 頭を下げて、そんことを言われる。

 冬花ちゃんは鋭そうだし、いろいろ気づいてるんだろうな。


「うん、わかった。約束する」

「話はそれだけです。今日はありがとうございました」


 本当に冬花ちゃんは良い子だ。



   ***



 その後、いくつかの部活をカレンと巡ってそのまま一緒に帰路に就く。


「先輩、冬花とは何を話していたんですか?」

「うーん、それは秘密!」

「何ですかそれ、もうっ!」


 それはさすがに言えないかな。


「カレンは中学と一緒でバスケ部?」

「そうなりますかね。先輩たちもいい人そうでしたし。試合あったら見に来てくださいね。勝つんで」

「うん、絶対いくよ」

「アタシは、凛先輩と月城先輩にも絶対に勝つんで、応援して下さいね」

「……それは」


 どう答えればいいのか迷う。


「まあ、すぐにとは言いません。でも、最後はアタシを選んでくださいね」


 そういって、私の肩に手を乗せ少し引き寄せると頬にキスをする。


「じゃあ、また明日。次は優先輩からしてくれてもいいんですよ」


 不意打ちはずるい!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ