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生まれ変わって☆武器人間!  作者: 激熱珈琲
3/5

自白・3


 「─許し…ぁッ!?」


 「……」


 5人いた仲間を赤子の手をひねる様に殺され、助けを乞うように絶叫していた暗殺部隊の最後の一人の首を何を言うまでもなく削ぎ落とす。


 「…こいつで最後の一人か。」


 落ちた首を端に蹴り飛ばし、胴体に座る事で私はとりあえず休息し、今あったことを思案する。


 ……『真智教』の構成員は、皆何かしらの"能力"を持っている。


 何故『真智教』が急に敵対したのか、それは謎だが、今重要なのは、敵はあまりにも強大だということだ。


 今死体にして転がしたコイツらも、不意を取れていれば、死体になっていたのは私だっただろう。


 更にいえば、コイツらは真っ向勝負になれば弱い能力。其れは、大幹部や幹部連中を見たことがある私は知っている。


 だから、ある程度武器を揃えなければならない。


 焼け石に水だろうが、ないよりかはマシだ。


 全て一撃とはいえ、六人も殺した短刀は切れ味が鈍る。


 それも、真智教の技術で凄まじい鋭さを武器とするこの短刀ではもっと顕著に劣化が出るだろう。


 殺した死体の短刀を回収しようとすると、思わぬ収穫として短銃と散弾銃も手に入った。


 どちらも片手で扱える代物で、短刀と合わせやすい。


 適当に空に構え、使い心地を見ていると…


 ──血塗れの私の部下が片足を引きずりながら現れた。


 すぐに駆け寄って、朦朧とした目を覚ますために声をかける。


 ニト「…っ!!大丈夫か!?」


 部下「……ハハ、隊長はすげぇなぁ…アイツら、倒しちまってる……でも、俺はもうダメみたいッス。」


 目立つ出血箇所を変装目的で回収した暗殺部隊の白いマントで塞ぎ、再びなくなりかけている意識を、声をかけることで引き戻させる。


 ニト「待て…!!まだ、まだ何か…!」


 私は知っている。コイツは、こんな部隊にいてはいけないほど、正義感の強い奴だ。


 部下「…すみません…ゲホッ…俺…もうダメみたいなんスよ。…折角、隊長が俺なら行ける。俺なら警官隊を…古都を元ある姿に戻せる…って…そう言ってくれたのに…」


 ───そして、この部隊に、コイツを引き止めていたのは、私なのだ。


 まず、そんな活動をすれば、コイツは殺されていただろう。


 だが、それはコイツがこんな部隊で神経をすり減らしながら燻っているのと、どっちが良かったか…。


 そう聞かれれば、前者なのだろう。


 私は、言い訳をしてばかりだ…。コイツは優秀な奴だった。だから、バレずに実験体を逃がすことが出来ていた。


 そして私はコイツを助けることで、いい事をした気になっていた。


 血は止まらない、白いマントが真紅に染まる。


 …その様子を、私は黙って見ていることしか出来ない。


 部下「…たい…ちょう…」


 ニト「もういい…!喋るな…傷が開く」


 部下「違うんッスよ、隊長…!!」


 部下「俺が来た理由…!!それは、ゲホッ…隊長…良いスか?コイツらは俺の家に襲撃してきた…!」


 「…だから!隊長の家にももう来ている…はずなんスよ!俺は!!隊長が真面目だから…!早く来ている…!」


 「……」


 「そう…知ってたっスけど…!!あんたの家にも多分もう来ている!!」


 頭が呆然とする。足が動かない。安心しきっていた。あの二人は、絶対に安全だと。


 "私のおかげ"で安全だと…タカをくくっていた。


 そんなことは全くなかった、それはそうだ。私が、真智教と敵対したのだから、そんな約束は…


 私は…妹の…あの二人の…何の役にも……




 部下「何つっ立ってんスか!!妹さんを見殺しにする気スか!!??」


 ニト「…ッッ!!」


 その言葉で、現実に引き戻される。


 私がするべきことは…なんだ。妹を、親友を、私のいる理由。全てを守ることだろう?


 ニト「ありがとう…ッ!今すぐ…」


 部下の方を向く、しかし、あいつは…もう動いていない。ただ空虚な目を開かせ、地面に横たわっている。何度も見た目だ、死体として。


 もう何も語らない。"形見"として、"決意"として、赤いマントを羽織り、私は走り出す。


 …家までは最短でも5分。生き残っていてくれ…!!


〜〜〜〜〜







 現実とは、私たち生き物にとって、非常なものである。


 家に辿り着くと同時に目に映ったのは、壁に杭のような物で張り付けられ、ノコギリのような悪趣味な剣で、一人の黒い甲冑の男に切り刻まれている、マリアの姿であった。


 呆然とする。失敗した。その言葉が頭の中で反響する。


 ニト「ぁ…あぁ……」


 私は思わず、走り出していた。


 甲冑の男は私に直ぐに気づき、剣を構える。


 「邪魔…だ…ッッ!!」


 剣と短剣が打ち合わされ、剣戟が鳴り響く。


 狙うは最短距離。


 ノコギリのように連なる刃、それは縦に受け流せないことを意味する。


 故に、片足を軸に回転するように横に受け流す。


 当然、前方向への圧迫も忘れず、甲冑男の剣の動きを封じる。


 そのまま首に短剣を突き刺す…ッ!


 …そうできれば楽だが、やはり、そうはいかないらしい。


 ────能力。何も無い場所から杭が飛んでくる。




 加えて言えば、甲冑男はもう体勢を立て直し、剣を振っているのを私は知っている。


 短剣で杭を弾きながら、同時に襲いかかる剣を後ろに下がって避ける。


 「フン…やるではないか。…貴様は何者……ん??いや、貴様は…ハハハッ!!なんだ、戻ってきたのか??『使い捨て』のリーダー!!ニト・ウェスカー!」


 …吐き気がする。コイツはやはり、私を知っていた。


 つまり、私ではないと知っていて、妹にその刃を振るったのだ。絶対に許さない。いや、許してなるものか。


 「…貴様も、戦えない少女相手に刃を振るう卑怯者の癖に、案外やるじゃないか。」


 ……興奮するな。きっと妹にまだ息はある。急がず、速やかにコイツの脳髄を吹きとばせ。


 「あぁ、それはそうだろう。…ふむ。自己紹介が遅れたな?」


 「我こそが真智教……いや、『真理とその徒ら。』"収穫戦闘"部隊リーダー…」


 「カマイヌだ。」


 ……真智教は知っているが…『真理とその徒ら』?"収穫戦闘"部隊…?なんだ…それは…。


 カマイヌ「…ふむ、何が何だか分からん、そう言いたそうな顔だな?」




 カマイヌ「…クハハッ…良いだろう。ひとつだけ、質問に答えてやる。」


 ………一つだけ教えてやるだと…?ならば、1つしかない。




 「真理とその徒ら…とはなんだ。」


 カマイヌ「…ハハッ!やはりそれか!それはだな」





 カマイヌ「────ハァ!?」


 応答する素振りを見せて、そう見せ掛けて、直ぐに近寄って頭を隠した散弾銃で確実に吹き飛ばす。


 これだ。


 ───連発は出来ない代わりに高威力を保ち、なおかつ消音性も持った銃弾をほぼゼロ距離で顔面に撃ち放つ。


 カマイヌ「なっ!?銃など何処に…ッ!」


────死ね。


 カマイヌ「〜〜〜〜ッッ!!」





 死体確認のつもりで振り返ったが、なんとまだ生きていたようであり、斬撃が振るわれる。


 ニト「なっ!?」


 確実に葬ったと思ったが、あの威力の散弾銃でも兜が機能したのか!?



 だが、かなりの打撃は与えれたようで、苦し紛れに放たれた直線的な斬撃を回避する。


 カマイヌ「貴様…ぁ…貴様ぁ……!!」


 兜の右半分が吹き飛び、そこから垣間見れるのは、口を広げるように吹き飛ばされた肉と、兜の破片が箇所に突き刺さっている、その下卑た性格に相応しい醜悪な顔面であった。


 ニト「ハッ!酷い顔だな…!その性根にふさわしい醜い顔だよ…!」


 カマイヌは手で自身の顔を拭い、それによって手に付着した大量の血を見る。


 カマイヌ「ぁぁあ!!〜〜ッ!!もう許さんッ!貴様はこのカマイヌが全身を引き裂いて壁に飾ってくれるわッ!」


 甲冑の男、カマイヌは顔面を抑えながら激昂する。


 頭の半分を挽肉のようにされている状況で、戦闘後に私の死体をいちいち弄ぶ。そう言っているようだ。


 今、顔面が半分吹き飛んでいる状況。

分泌されているアドレナリンが切れ、興奮が収まればまず間違いなく気絶する。


 それに気づかないのか、それとも馬鹿なのか。そのどちらかだろう。


 どちらにせよ、私の宿敵は、思いの外小物だったようだ。


 …だからこそ、こんな奴にマリアがあのような姿にされ、弄ばれたことに虫酸が走る。


 全身の血管が疼き、こいつを殺せ。と、そう告げる。


 ニト「悪いが、すぐに決めさせてもらう…。」


 もちろん、いちいち怒らせたのはわけがある。


 戦闘中、興奮状態に陥った者は、周りが見えなくなる。それを私たちは知っている。


 だからこそ歴戦の猛者は、冷静なものが多い。


 こいつは、器はどうであれ、最初の斬り合いや、その大それた称号。前線を張る小隊のリーダーという肩書きを見る限り、『いつも』は歴戦の猛者なのだろう。


 だが、大それた称号を持っている歴戦の猛者だからこそ……


 コイツはプライドが高い。


 無傷の状態で顔面を吹き飛ばして、煽ってやればこうなる。


 それも相手は、小国の警官隊。その一人だ。


 本当はどれだけ舐めても勝てる相手。


 だからこそ、私はこいつに勝てる。




 怒らせられれば判断を鈍らせ、戦闘で大きなアドバンテージを得る。


 それはそうだ。だが、私はそれだけでない。


 ニト「……『鎧袖一触』。」



 カマイヌ「これで…終わりだぁああ!!」


 カマイヌの周りに大量の杭が構築され、射出される。私は手に持つ短剣を捨て、両手に散弾銃を持って片方を装填、片方を射撃、それを繰り返す事で全て撃ち落とす。


 カマイヌ「…ハッッ!!田舎者が!!かかったな!!こっちが本命だ…っ!!」


 …初撃の冷静さと、全身を総動員せず、直ぐに離脱できるような、絶妙な力のかけ具合が消えている。


 激昂し、"自身の策が必ず通用する。"


 そう思い込んでいる。


 "それ"は私もそうだが、私が思い込んでいるのは…


 ─────『偽り』ではなく『真実』だ。


 全体重を剣にかけ、上段から大振りをするカマイヌに肩を当て、そのまま滑らせるように後ろに歩いていく。


 『鎧袖一触』。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 其れは、相手の技の威力を何倍にも引き上げ、"自身が触れた物質の一つ一つに同じだけの力を流し込む業"


 欠点として、力の向きが一直線で、なおかつ自身より体重が上でないと通じないが…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 今回、それは問題ない。


 後ろで肉と鎧が爆散するような血飛沫と鉄片が舞い上がる。


 振り返ると、上半身の右部分を吹き飛ばされたカマイヌが前のめりに顔から倒れていた。

 


 カマイヌ「───ぁッ……ヒューッ!ヒューッ!」


 肺がひとつ吹き飛んでいるため、当然ではあるが、呼吸ができないようで、カマイヌは空気の抜けた風船のような音を鳴らす。


 カマイヌ「…ぁ、ぁが…ま、待て…ッ!き、きさま…後悔するぞ…ッ!」


 カマイヌ「私を殺したのは間違いだ…!!」


 カマイヌ「必ずお前は…!」


 負け犬の遠吠えだ。聞く必要は無い。


 質問をひとつ放棄して、速攻を仕掛けた理由は1つ、救出が先だからだ。


 もしかしたら…マリアは生きていて、ライトは館の中で、生き残っているかもしれない……。

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修正なども初心者のため、大変ありがたいです

どうかよろしくお願いします

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