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魔王の正体

 魔王はゆっくりと歩いてゲーリーの前に立って、


「久しぶりね、カツヨリ。あの時言っていた時が来たって事なの?」


「今の俺はカツヨリではない。魔族四天王の1人、ゲーリーだ」


 ゲーリーは感無量だった。やっとここまで来た。もうじき終わる。元々は地球の神が仕出かした事だ、これで終われれば………。


「そういえばそうね。あの時私から力を奪って魔族になったのでしたね。それで私は力を使いきった木聖に封印された」


「魔王アリエルよ、エリアルは目覚めてる。今こそ元に戻ってこの世界に平和を」


「嫌よ」


「???、なんだと」


「何年閉じ込められてたと思ってるのよ。あなたは魔族として楽しんでいたかもしれないけど、この中でただジーーーっとしてたのよ。少しは楽しませなさいよ」


 何を言いだすんだ。あの時お前は納得して封印されただろうが。カツヨリは会話を聞いて訳がわからなくなっている。木聖から出てきたのは女神エリアルにそっくりだ。なのに魔王アリエルって?


「言いたい事はわかった。だがお前がこのまま外へ出ると魔物が活発化してしまう。なんせ魔王だからな。ここでゲームでもするか?」


「バカね。他の四天王はどうしてるの?皆息災?」


「吸血鬼ガーリーは死んだ。今はそこにいる娘が新しいガーリーだ。今までお前を守ってきたのもそいつだ」


 それを聞いてガーリーが跪く。ゲーリーは普通に立っているが魔王から出る威圧感が強く、パージはガタガタ震えているし、リコとムサシも硬直してしまっている。


「あら、ダークエルフなのね。そう、ガーリーは死んだの。ギーリーとグーリーは?」


「しばらくあってないが生きてんじゃねえか?カツヨリが現れたからあいつらも出てきてるはずだ」


 それを聞いていたリコは、ギーリーの居場所を思い浮かべた。確かラモスで………。それろグーリーってこの間倒したあいつよね、アンデッドの。リコの硬直が徐々にとれてきていた。聖魔法の効果だろうか。それを感じたリコは小声でつぶやきムサシの硬直も解いた。ムサシはまだ硬直をしているふりをしている。


「そう。なら今度こそ世界征服ができるわね。最大の難関だった勇者カツヨリは魔族だしね」


「おいおい、それじゃあ約束が違うだろう。このままじゃあ世界征服したってその世界が滅亡しちゃうんだぞ。そう言ったら納得したじゃあねえか」


「そういえばそうね。でもまだ時間はあるでしょう。ギリギリまで魔王として生きるのも面白そうじゃない」


 こいつ何を言いだすんだ。仕方がない、力で止めるしかないか。ゲーリーがそう考えていると、魔王アリエルが、


「反対するのよね。そんなのは四天王じゃないわ。魔王に従ってこそ四天王の価値があるの。丁度いい、あなたに与えた魔力、返してもらうわ」


 そう言って魔王アリエルがゲーリーに指を向けると、ゲーリーから黒い煙が出はじめた。魔力がゲーリーからアリエルに流れ始めた。それと同時にゲーリーが苦しみだす。


「バ、バカな。やめろ」


 アリエルは冷静に話す。


「あの時魔族になるために与えた魔力、元々私の物よ」


 ゲーリーはもがき苦しんでいる。あんなに戦闘が強かったゲーリーが手も足も出ないのか。ムサシ、リコ、そしてカツヨリはパーティーを組んでいた効果で打ち合わせなしに、


「セイントビーム!」


 リコの聖魔法がアリエルの指にあたりゲーリーからの魔源吸収を止める。そして、


「行くぞ、 魔法剣、上から旋風! ダブルアタック!」


 攻撃力2倍のアイテムをつけたムサシの二刀流がアリエルを襲った。アリエルは風の渦を発生させ、ムサシの剣の威力を緩和するが相殺し切れずに2mほどずり下がる。そこに、


「ゴーリーウィング!」


 ゴーリーの背中から羽が生えた。そして空中に舞い上がったごーりーの必殺剣がアリエルを襲う。


「ゴーリー天空斬り!」


 アリエルは魔力でバリアーを張ったが、巨大スーパーロボの一撃を食い止めることができず吹っ飛び壁に激突した。頭から流血している。


「バカな。勇者でもない連中にこの私が。そうか、今の私は裸も同然。私の装備はどこ?」


 その時、伝説龍王伍号機、ゴーリーファイブからカツヨリが出てきて倒れた。魔源切れだ。ゴーリーファイブが使った魔源は木聖に再び吸収されて、それは魔王アリエルに流れていく。それを見たムサシは、


「まさか。ここで戦っては不利だ。あいつが回復してしまうぞ」


 魔王アリエルは木聖と一緒に長い時間を過ごした。そのせいか木聖は無意識に魔王を助けているようだ。木聖の魔源が魔王に流れて回復させている。実際、与えたダメージは大きくそんなに簡単に回復するものではない。ただ、徐々に回復しているのは事実のようだ。ムサシは焦って次の技で決着をつけようと精神集中に入った。


 カツヨリはフラフラと立ち上がって、ポーションをアイテムボックスから取り出そうと空間を開けた。その時、アイテムボックスからあるものが魔王に向かって飛び出していく。


「あ、あれは闇の杖。し、しまった」


 カツヨリの叫びは集中しているムサシには聞こえない。そうしてムサシは必殺技を放った。


「真魔陰流奥義 風雅斬!」





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