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パージ出生の秘密

 ガーリーは徐々に衰えて行く身体に焦りを感じていた。ギーリー、グーリーは死んではいないはずだがどこかに潜んでしまったのだろうか。世間では魔王が倒され人間が国を作ったと言って騒いでいるようだ。


「なんという事だ。力が出ない、このままでは」


 あれだけいた眷属も皆死んでしまった。勇者に撃ち込まれた光の魔法は、命を蝕むだけでなく眷属を作るスキルまで使えなくしてしまった。魔王城の中で木聖に閉じ込められた魔王を見ながら


「魔王様が復活するまでどのくらいかかるのか。おそらくそれまでは生きてはいれないだろう」


「魔王様…………お美しい」


 魔王はスタイル抜群の美女だ。黒いエロい服を着て封印状態なのに妖艶さはそのままだ。無言でガーリーに何かを訴えているように見える。


「魔王様、私にどうしろと」


 魔王が後ろを見ろと言っているような気がして振り返るとそこには死んだと思っていた勇者カツヨリがいた。


「よう!」


「き、貴様、なぜここに」


 自分をこんな身体にした男だ。憎しみしか感じない。だが、おかしい。なんだこの違和感は。


「お、お前、魔族なのか?」


「おう、そうだ。これからよろしくな。魔王復活に向けて頑張ろう」


「な、何を言っている。お前が魔王様を封印したのではないか?そのお前が封印を解くだと!どういうつもりだ」


 ガーリーは何がどうなっているのかさっぱりわからなかった。カツヨリは何怒ってんのこいつ?という顔をしながら、


「色々あってな。俺も魔族になったんだ。まあ仲良くしようぜ」


「俺はお前の攻撃で虫の息だ。そうだ、仲間になったのならこの光魔法をなんとかできないか?このままでは眷属を作ることもできない」


「それは無理だな。だが、眷属は作れなくても子供は作れるぞ」


「???」


 吸血鬼には生殖能力はない。仲間は眷属を作ればいいからだ。カツヨリの光魔法は吸血鬼の能力を無くす代わりに生殖能力を付与したらしい。


「そんな事が可能なのか?だが俺は童貞だぞ」


「お前何歳だよ」


「仕方ないだろう」


 よくわからない会話で打ち解けた2人であった。




「で、なんで魔族になったんだ」


「世界平和のためだ」


「なんで魔王様を封印したんだ?」


「世界平和のためだ」


「なんで魔王様を復活させるんだ?」


「世界平和の………」


「もういい!全部同じじゃねえか!」


「本当の事を言ったまでだ。俺はこれから魔王復活に向けて動く。いつになるかはわからないがな。200年後か500年後か、さてさて1000年後か」


「どうすれば魔王様を復活させられるのだ?」


「木聖に魔源エネルギーを注入するんだ。魔王は木聖のなかに封印した。木聖に魔源を満たせばそのエネルギーを魔王が吸収して復活できるよ」


「ならばすぐに集めようではないか。どうすればいい?」


「すぐには無理だ。魔源を集めるにはダンジョンコアが手っ取り早い。だが、世界中のダンジョンコアは俺が破壊しちまったからな。今から各地にダンジョンを作る。眠ってる四天王を叩き起こしてな」


「俺はどうすればいい?」


「うーん、そうだな。ガーリーを継ぐ者を見つける、いや、作るんだ。お前の仕事は子作りだ、エルフとな」




「そうしてガーリーはエルフを見つけて犯した。できた子供は双子だった。そして1人は四天王ガーリーとなり、もう1人が………………、私だ」


 えっ、そんな事が。パージは空を見上げた。


「父はその後すぐに死んだ。妹はガーリーとなり木聖を守っている。私はエルフの母に引き取られこの国に世話になった。ダークエルフはエルフに嫌われている。が、母は優しかった。エルフの一族からは仲間はずれにされて苦労したが私を育ててくれた。私は魔法の才能があった、父親が吸血鬼なんだから当然かも知れんが」


「妹さんとは?」


 コジローが疑問点を聞いた。


「もう200年会っていない。妹、ガーリーは魔王復活に備えて木聖を守っているはずだ。強力な魔物を従えて。魔王城は地下五階まであり、我々が入れるのは地下3階までだ。そこからは結界があり入る事ができない。結界を張ったのは勇者カツヨリだと言われている。結界を解けるのも勇者カツヨリ、いや四天王ゲーリーだ。だから結界に人を近づける事は出来ない。魔王城の入り口は王家の兵が護っている」


 そういう事か?だがダンジョンコアは俺が2つ持っている。しかもゴーリー起動に魔源使っちゃったから魔王は復活しないんじゃない?


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