プロローグ
——曰く、この惑星は地球とは似て非なる惑星である。
——曰く、この惑星は人間が世界を支配している。
——曰く、この世界には魔術が存在している。
さぁ、この世界ではどのような物語が紡がれるのであろうか……
先が楽しみで仕方がない。
「いっそのこと星の未来を見てしまえば良いのではないですか?」
横に居た者からそんな言葉をかけられる。
いや、それは酔狂というもの。先が見えないからこそ悦に浸れるのではないか。なにを馬鹿な事を。
笑止。冗談にしても烏滸がましい。この世界、この星、この宇宙を作った理由はただ一つだ。楽しむため。それ以上でもそれ以下でもない。
故に傍観するのだ。傍観者に徹するのだ。そうでなければ意味がないのだ。
全ての物語を見てみたい。全ての結末を見てみたい。人の感情。『悲しみ』『怒り』『喜び』『恐れ』『驚き』『嫌悪』そして『愛』どれも甘美な果実だ。
『悲嘆』に『激憤』に『狂喜』に『憂愁』に『驚嘆』に『狂愛』どれも貴重なものだ。食してしまいたい。
よし決めた、彼らにしよう。彼らの結末を熟視させてもらおうじゃないか。
輪廻する彼女、それを救済せんが為に行動する彼。色んな感情が渦巻きそうだ。
「僕を興じさせてくれよ、シュウ」
どうも、犬犬尾です。
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