9 家族
「パパおかえりなさい。」
そう言いながらユキより小さな女の子が笑顔でマサトに抱きついてきた。マサトも笑顔で女の子に抱きつく。そんな様子を見ながらユキはマサトに確認した。
「なあマサトその子がマサトの子供なのか。こう言っては失礼だが、全然似てないんだが。」
マサトは茶髪、で女の子は少し白が強い白銀、マサトは目の色も茶色、に対して女の子は目は赤色、マサトの肌の色は少し焼けているが、女の子は全くと言っていいぐらい焼けてなく白色をしていた。ユキは本当にこの2人が家族なのか疑問に思っていた。もしかしたらこの女の子も自分と同じように拾われたのではないかとも思った。
マサトの返答は
「正真正銘俺の子供だ。まあ俺にはあんまり似ないで、あっちの方に似ちまったからな。ユキがそう思うのも仕方ねーよ。でもこいつはセシルは俺たちの子供だ。」
「パパこの人だれ。」
セシルはユキの方を見てマサトに聞いた。
「こいつはユキ、これから一緒にに暮らすことになった。詳しい事はユキから直接聞いた方が良いだろう。これから時間はたっぷりあるんだし。ほら2人とも挨拶。」
ユキはマサトの父親らしいところを見て、ちゃんと父親なんだと安心した。
「じゃあ僕から僕の名前はユキ、少しいろいろあってしばらくの間一緒に暮らすことになったけと、これから宜しく。」
「えーと私はセシルって言います。えーとあのこれからお願いします。」
セシルは急な事で少しテンパっているようだ。そんなセシルを見てユキは妹がいたらこんな感じなのかと思っていた。ユキの両親は子供が出来にくい体質だったらしく、ユキが産まれた時は本当に喜んでいたらしい。だが兄弟が産まれることは無く、ユキは密かに兄弟に憧れていた。
「お願いするのはこっちだよセシル。それにマサトも言っていたが僕らはもう家族なんだ、だからなんでも言ってくれ。僕がマサトのいない間セシルのことを守るから。」
ユキは少し馴れ馴れしいと思いながらも初めての兄妹が出来た事が嬉しかった。セシルも緊張が解けたのか笑顔で
「はい分かりました。ありがとうございますユキさん。」
「うーんさんはいらないんだけどとにかく宜しくねセシル。」
今思うとこの出会いは運命だったのだろう。
だが僕はこの大切な出会いを忘れる事は無い。
「よし挨拶も終わったみたいだし家に帰るか。いつもありかとなドンママ。また今度も頼む。」
マサトが結局最後まで喋らなかったドンママに挨拶をする。
セシルもドンママに
「ありがとうございました。」
ちゃんとお礼を言う。
ユキも流れで
「ありがとうございました。」
とお礼を言う。
外に出るともう暗くなっていた。
「もう夜じゃねーか。ユキ、セシル急いで帰るぞ。」
そう言い少し早足になった。しかしセシルに無理のないペースであった。この家族は良い家族だとユキは思いそんな家族の一員になれた事は嬉しかったが、元の家族の事を思い出してしまった。
「ユキさんどうかしたんですか。涙が出てますけど。」
セシルが変な事を言い出す。ユキは自分の顔を確認すると本当に涙が出ていた。ユキはこの涙は昔の両親との別れの涙だと思いこれ以降、元の両親を思い出しても泣かなくなった。それは新しい家族が出来たからだとユキは分かっていた。




